現役の高校英語教師として活躍していた川田さんは、一度そのキャリアを休止し、海外で新たな挑戦を始めました。
ワーキングホリデービザを最大限に活用し、英語を使って英語を教えるという教授法を学びながら、現地での就業や生活を通じて実践的な英語力を身につけました。
特に、現地のTESOLコースで行った模擬授業は高く評価され、その経験は彼にとっても貴重な財産となりました。
これから留学を考えているあなたにも、彼のリアルな体験談がきっと役立つはずです。
もちろん、順調な道ばかりではありませんでしたが、問題を乗り越えながら得た経験はどれも無駄にはならず、彼の成長を確実に後押ししてきたものです。
「どんな思いで海外へ飛び立ち、どんな思いで帰国後の今を迎えているのか?」
その答えがここにあります。
これからの挑戦に胸を膨らませているあなたへ、留学で得たもの、成長できたことがどれほど大きな力になるのかを、ぜひ最後まで読んで感じてください。
目次
留学先について
項目 | 詳細 |
国、地域 | カナダ |
都市 | バンクーバー |
出発日 | 2024年4月 |
留学期間 | 10か月間 |
留学カテゴリー | ワーキングホリデー |
なぜこの留学先を選びましたか?
TESOLが学べる学校があったから。
移民の国であり、比較的治安もいいと聞いており、はじめての海外生活に適した場所だと感じたから。
TESOLとは
TESOLとは、「Teaching English to Speakers of Other Languages」の略で、英語を母語としない人々に英語を教えるための教授法に関する資格です。
これらの専門プログラムでは、対象年齢に応じた効果的な教え方やクラス運営のコツ、教材の使い方、適切なフィードバック方法まで実践的に学ぶことができます。すぐに現場で活かせるスキルを身につけたい方に最適です。
将来、英語を教えたいと考えている方はもちろん、「もっと高いレベルで英語を学びたい」「英語で自信をもってプレゼンテーションしたい」「人前で堂々と英語を話せるようになりたい」といった方にもおすすめのプログラムです。
留学してみて新たに発見した習慣や文化はありますか?
事前知識と同じく、移民の人が多かった。
特に中国人、インド系の人が多かった印象。移民が多いがゆえにいろいろな国のレストランが多かった。
治安に関しては、確かにそこまで荒れている国ではなかったが、ダウンタウンには多くのホームレスがいた。
特にメインストリートとヘイスティングストリートの交差点は多くのホームレスがおり、初めて見たときは衝撃を受けた。
また、モントリオールに旅行に行った際は、地下鉄のホームに多くのホームレスが住んでおり、電車を待つ乗客一人一人に物乞いをする姿も脳に焼き付いている。
日本と違う習慣は、路駐が多いことと雨の日でも傘をささないこと。
バンクーバーの家は駐車場がない物件がおおく、お店などにも駐車場がないため、多くの人が路駐をしていた。
日本に比べて道路は広いが、路駐の車のせいで車が通れるスペースは日本より狭いという印象。
また、カナダ人はよほど大雨でない限り傘をささない。
冬の季節はレインクーバーと呼ばれるほど雨の日が多く、傘をさすことが面倒くさい人が多いらしい。その他にも、大麻が合法なためいたるところで大麻のにおいがしたり、体調がすぐれない時でもあまり薬に頼らず、自然由来のもの(ショウガやはちみつなど)やサプリで対処することも印象的だった。
文化に関して印象的だったのはクリスマス。
日本の正月に位置づけられる行事で、12月はみんなクリスマスに向けて頑張っているという印象だった。
クリスマス前後の週はクリスマス休暇を取る人が多く、自分が働いていたカフェも唯一の休みがクリスマスの日だった。
逆に年越しはあまり盛り上がっていなかった。
クリスマス当日は家族と過ごす人が多い。
料理はパンプキンパイと七面鳥がメインらしく、クリスマスケーキは食べない(日本ではクリスマスケーキを食べると伝えたら、「なんだそれは」という反応だった)。このメイン料理は10月のサンクスギビングの日にも食べられる。

学校/コースについて
項目 | 詳細 |
学校 | Vancouver International College(VIC) |
コース1 | TESOL |
コース2 | TESOL for Children |
コース3 | TESOL for Children – Practicum |
コース4 | TESOL for Teens and Adults |
VICのTESOLコースについて
VICのTESOLコースは、経験豊富なTESOL専任講師が留学生向けに開発したオリジナルカリキュラムを採用。
わずか4週間という短期間で、効率的かつ実践的にスキルを習得できる内容となっています。
VICでは、英語教授法の基礎をしっかり学べる一般TESOLプログラムに加えて、年齢別の指導法を専門的に学べる「TESOL for Children」と「TESOL for Teens and Adults」の2つの専門コースも開講しています。
学校の評価
項目 | 詳細 |
クラスの雰囲気 | 満足 |
教師の質 | 満足 |
コース内容 | 満足 |
学校の設備 | 満足 |
周りの環境 | 満足 |
スタッフの対応 | 満足 |
総評 | 満足 |
1クラスあたりの生徒数 | 5人〜10人 |
1クラスの日本人の割合 | TESOLのクラスはほとんど日本人だった |
参加してよかったアクティビティ | 授業と課題が忙しく、学校行事は参加できなかった… |
印象に残った授業内容/学習方法
TESOLの基本となってくるelicitationとConcept Check Questions (CCQs)は、自分の授業のレベルを格段とあげてくれた。
自分が教員のときは、教員が説明する時間が多く、生徒が英語を話す時間が圧倒的に少なかった。TESOLでは、生徒中心のクラスを目標としており、生徒が英語を話す時間を増やすために、このelicitationとCCQsが重要になってくる。
どちらの技法も英語による質問を駆使したもので、elicitationは文法やアクティビティの方法を説明するときに使われ、CCQsは生徒が内容を理解しているかどうか確認するために使われる。
例えば、とあるアクティビティをクラスで行う際、教員は初めにそのアクティビティのデモンストレーションを行い、その後そのデモンストレーションに関して、使っていたものやルール、教員が行っていた行動などに関して質問していく。
生徒はその質問に答えていくことで、アクティビティのルールを理解することができる。
本来なら教員が口頭で説明するだけだったが、elicitationを活用することで、生徒が英語を使う時間を確保しながらルールが理解できる仕組みになっている。
elicitationを使ったルールの確認が終わった段階で、次はCCQsを活用し、生徒が本当に活動を理解しているかどうか確認する。
よくありがちなのは、教員が「わかりましたか?」という質問だけで確認することだが、この質問だと生徒はnoと言いずらくなってしまうため、活動に関して具体的な質問をしていく(例えば、活動に必要なものや、あえてルール違反の行動例を提示し、許されるかそうでないか問う)。
今までは説明の際、生徒は英語を聞くだけだった。
しかし、この2つの質問を活用することで、生徒が英語を使いながら、なおかつ説明を理解できるようになっており、英語の授業においてすべての教員が活用すべきテクニックだと感じた。
滞在先について
項目 | 詳細 |
滞在方法 | ホームステイ (最初の1カ月のみ) |
滞在方法 | シェアハウス (残り9カ月間) |
通学手段 | 路線バス |
通学時間 | 約30分 |
ホームステイについて
滞在先(最初の1カ月間)に対する評価
項目 | 詳細 |
周りの環境 | 不満 |
設備 | やや不満 |
通学路 | 普通 |
ファミリーの対応 | 不満 |
総評 | 不満 |
基本的に、ホームステイ手配は通われる語学学校が行います。今回は、川田さんのご本人の意図があり、あえて学校には相談されませんでしたが、通常であれば今回のようなケースでは、できるだけ早く学校の担当者にご相談ください。状況を正確に把握したうえで、改善策や、ホームステイ先の変更が行われます。
ホームステイの総評が不満となった理由を教えていただけますか?
あまりいい思い出は無い。。。
初日から挨拶なども無視だったし、英語がうまく話せなかったり理解できないと高圧的な態度をとられた。衛生環境が良くなく、ハエ、髪の毛、そして何よりネズミ問題。ベースメントの部屋だったが、ネズミが住み着いており、夜中木をかじる音で何度も目が覚めた。
元々は3か月滞在の予定だったが、早めに切り上げて引っ越しをした。
それは大変でしたね。上記のことが発生した時にどのように対応されたのですか?
ホームステイの件はお気になさらないでください!アンケートにも書いていたと思いますが、人生のネタ探しもかねてカナダに行きましたので、日本では経験できないようなことが体験でき、それはそれでよかったかなと思います(笑)。
滞在中は学校には上記のことは何も言いませんでした。
ただ、自分が出る時に次の方が決まっていると聞いたので、退居時に参考のために、伝えました。
その時の学校の対応について教えてください。
真摯に対応していただきました。ホームステイ先での件についての謝罪や該当のホストファミリーへの今後の対応、返金の方法など、詳しくお話ししていただきました。
本来ならこういう問題が出たときに即時報告するのがセオリーだと思うのですが、前述のとおり興味本位で1か月ほど滞在しました(笑)
ただ、早期退去のことをホストファミリーに伝えた際、次の利用者がすでに決まっていると教えてくれたため、その方が同じような気持ちになるのはマズイと思い学校の方に報告させていただきました。
ホームステイでの体験は、すべてがホストファミリー側が悪いとは自分自身思っておらず、海外生活が初めての私も知らず知らずのうちに何か向こうに対して悪い態度をとってしまっていたかもしれないので、ホストファミリーや学校の対応を責めるような気持ちはないということだけお伝えさせていただきます。
学校以外の思い出はありますか。
帰国の数週間前にカナダ横断の旅をしました(バンクーバー→カルガリー→バンフ→トロント→モントリオール→ケベックシティ)。
この写真はバンフの有名なレイクルイーズ湖での写真。
夏場はエメラルドグリーンの湖が広がり、冬は写真のように湖がすべて凍るため、氷の上を歩ける。
気温-20℃でしたが、とても美しい景色だった。

留学を終えて
留学前に不安に思っていたことは?
自分の英語力が通用するか不安だった。
学校の授業についていけるか、現地での生活がうまくいくか、仕事が見つかるかなど。
海外に長い期間1人で滞在することが初めてで何もかもが未知の状態だったので、不安だったのは当たり前だと思う。
正直渡航前は不安で仕方なかったし、行きたくない気持ちのほうが強かった(笑)。
留学して身についた力を教えてください
言語力ももちろん身についたが、サバイバルスキルが特に身についた。
限られた環境の中でどのように生きていくか考え、それを行動に移す力がついた。
また、メンタル面での成長が大きく、渡航前は基本的にネガティブな性格をしていたが、カナダでの生活を通して自身のメンタルを強く保つ方法を身につけ、ポジティブな人間へと生まれ変わった。
留学中の一番の思い出
学校で学びたいことを学んでいた時間がとても楽しかった。
大学生時代から英語教育や第二言語習得の理論を学ぶことや、他人の模擬授業を見て学ぶことが大好きだったので、VICでの期間は自分にとっての思い出の時間といえる。
クラスメイトも教育に志す人がほとんどで、長く教員生活を送っている方もいたので、その人たちから話を聞く時間などもとても有意義だった。
また、TESOL担当のDena先生が本当にいい先生だった。
知識や経験に基づくアドバイスなどはもちろん、定期的にチャレンジなことを求めてくれたので、日々成長を感じられる時間だった。
学校以外や週末の過ごし方
学校に通っていた期間は課題が多く、週末も家や図書館で課題をこなす日々だった。
基本放課後も学校や図書館で課題をしていたが、たまにクラスメイトとカフェに行ってお話しなどをしていた。
働いていた期間は基本的に体を休めることを優先していたが、3連休をもらえた週などは遠出をしたりしていた。
あなたの留学にタイトルをつけるなら
人生の縮図
留学生へのアドバイス/どんな留学を勧めますか?
ほとんどの人が留学前はワクワクした気持ちを持っていると思うが、自分のような「そうでない」人たちもいると思う。
その人たちにアドバイスをするならば、「なんとかなる」というくらいの気持ちでいてほしい。
苦難や困難が待ち受けていることは確かだけど、同じくらいの困難を乗り越え、今留学に挑戦しようとしているのだから、向こうでもなんとかなる。
留学期間中はとにかくチャレンジをしてほしい。一見無理難題に見えてもチャレンジしてほしい。
それが成功に終われば自信になるし、失敗しても「帰国後に話せるネタができたな」くらいのマインドでいれば大丈夫。
行動を起こして、人生のネタを探してきてほしい(安全だけは気を付けて!)。
1ヶ月の生活費はどのくらいでしたか?(食費/交通費/通信費/交際費・・・)
項目(シェアハウス) | 詳細 |
家賃 | 月$850 |
食費 | 月$200-300程度 |
通信費 | 月$70程度 |
交通費 | 月$110(定期券) |
その他 | 最大かかった場合でも$300程度 |
写真へのコメント
模擬授業中の川田さん

発音のレッスンのミニ模擬授業。
TESOLコースの一番最後のコースの期間で、かなり自信をもって授業できるようになっていた。
アフィニティについて
項目 | 詳細 |
サポート満足度 | 満足 |
アフィニティへひとこと
留学前にどの国に行くか一緒にミーティングで決めていただいたり、学校とのコンタクト、保険やビザの手続きのサポートなど、留学初心者の私に対してとても献身的なサポートをしていただきました。おかげさまで大変有意義な時間をカナダで過ごすことができました。ありがとうございました。
担当カウンセラーよりひとこと
帰国後、川田さんからいただいた第一声は、「昨日カナダより帰ってまいりました。これまでの人生の中で一番の経験をさせていただきました。今後この経験をさらに生かせるよう頑張っていこうと思います。」というものでした。
出発前は「正直、渡航前は不安で仕方なかったし、行きたくない気持ちの方が強かった(笑)」と話していた川田さん。その変化を見て、留学の力は本当にすごいと感じました。
こちらの体験談には、「行ってよかった」と心から感じた瞬間が詰まっています。
留学やワーホリに迷っている方々にこそ、ぜひ読んでいただきたいです。
さらに、川田さんはTESOL(基本の教授法)だけでなく、TESOL for Children(児童英語教授法)や、TESOL for Teen and Adults(中高生、大人向けの教授法)の研修も経験し、幅広い年齢層に対応できるスキルを身につけました。
特に模擬授業では非常に高い評価を受け、他の学生たちにとっての手本となるような素晴らしい授業を提供したと、学校からわざわざ連絡が入るほどでした。
今後、日本の中高生のために、川田さんが学んだ教授法が大いに活用されることを願っています。
そして、これからのご活躍を心より期待しています。