ベルリンの美術大学に入学、高卒後に渡独から進学を叶えたドイツ留学体験記・その②

大学に入る前の準備期間について聞かせてください。進学の準備としては、現地で1年間アートコースに通われましたね

はい、ベルリンにあるアトリエHY+さんの準備コースなしには、私においてはドイツでの美大合格は考えられませんでした。日本で は普通科の高校を卒業していましたし、これまでアートの勉強という勉強をしたバックグランドがなかったからです。デッサンやMappe(ドイツ版のポートフォリオのこと)制作の基礎をしっかり1年かけて学ぶことが できました。

また、ドイツ語での評論会も定期的にありましたし、特に受験の2次試験では教授との面接がありますが、これまで使っていたフレーズで表現できて、とても助かりました。最後に、大学受験を共に目指す仲間の存在は大きかったです。切磋琢磨や刺激を与え合うことはもちろんですが、そ れよりも生活面での相談(例えば銀行開設やビザなど)ができ、インターネットにある情報やブログ などの記事よりも、最新で信頼ができるものだったことです。大学の選定は自分でしなくてはいけま せんし、大学の募集要項も自分で調べる必要はありますが、こうした環境で受験に臨むことができた ことは安心感がありました。

アートのスキルアップと共に1年間、ベルリンでは語学学校にも通いました

グラマーやドイツ語の基礎をしっかり学ぶ点では語学学校で過ごした時間が役立ちました。ホームステイなど宿泊先も手配がありますし、ドイツ語を使う機会を作ることができます。ステイ先では、ホス トファミリーとのコミュニケーション以外にも、同居しているルームメイトとの会話も、個人的には ドイツ語を使う機会の1つでした。学校のシステムやステイ先との相性や都合など、若干振り回されてしまう点もありますが、そこからドイツ人の一面を知る経験値になるとも思います。

Mさんの進学実現までのタイムスケジュール

ホームステイ先は長期滞在が難しい場合が多いので、幾つか移動もありました。ご苦労もあったと思いますが・・・

はい、ドイツの家庭で生活を共にすることで、学ぶことも多かったです。

ベルリンではスタンダード な生活習慣(電気を消すなど節電など)は注意を受けることもありますが、素直に聞いて、直すこと、 何度も注意を受けないようにすること、次に、注意をされても必要以上に傷つかないこと。ドイツ人 は愛想も少ないですし、はっきり物事を言うので真に受けると傷つきますが、相手はそれほど悪意を 持っていないことが多く、なので気にしないほうがいいです。また、コミュニケーションをとるときは、言葉が出なくても、表情を出すようになりました。何も言わず、アドリブもせずにいると何を考 えているかわからないと相手を心配にさせて、距離を作ってしまうことが多いようです。

「ドイツ語ができないので、最初からホームステイに滞在する意味があるか」と相談をもらうことがありますが、これについてはご自身の体験上どう思いますか?

そうですね、確かに最初はドイツ語が口から出てこなくて、食卓を囲んでも沈黙がきつかったことも 実際ありましたが、コミュニケーションは言葉だけではありません。表情や動作もそうですし、絵で伝えたりもできます。最初は英語も使うこともありました。

語学以外でドイツ語を使う機会はどのように作りましたか?

タンデム(ランゲージ・エクスチェンジ)の友達を作りました。1年くらい続く子が一人います。実際 にあって日常生活について話すこともそうですし、携帯でMessengerなどのメッセージを頻繁に使うようになるので、ドイツ語が身につきます。

具体的にはどうやって探しましたか

ベルリンの場合は、ベルリン自由大学のHPで、日本学を学ぶ生徒とタンデムを作る交流サイトがあり、 それを活用しました。学生なので、学校では習わない言い回しや普段使いの言葉を学ぶことができま す。ですが、そこはバランスで、学校で学ぶ(文法的に)正しいドイツ語もやはり必要だと思います。

友達と週末にベルリン市内でピクニックのひと時をパシャリ!

ドイツ留学中に特に大変だったことは?

やはり語学です・・・ドイツ語ができなくて、伝えたいのに伝わらないもどかしさや自分の拙さ、伝えられないことでなめられたりすることがとても悔しかったです。

ドイツ語は完全ビギナーで渡航される方も多いです。日本でしていくべき学習方法などありますか?

語彙力はとても大切です。単語を1つでも多く覚えることは重要です。文法や会話が完璧にできなくても、単語さえ1つ発することができれば伝わることは多いです。これは初心者だけはなく、中級の方、 大学に進学しても、単語力や語彙力がないと、いつも同じフレーズや単語を使ってしか表現ができな いので、大学に入った今でもドイツの語彙力は課題です。

その他、おすすめの学習方法があればお願いします

そうですね・・・私は普段でTVやラジオは聞きませんが、Deutsche Welleのウェブでは、音声とテキストが一緒に見て聞けるので、勉強になります。

もしかして、これまでドイツ語で「夢」見たことあります???

はい、あります! (笑

留学中はアフィニティのドイツ留学サポートを利用されましたが、いかがでしたか

日本にいる時からドイツでの留学生活についてしっかりと説明してくださり、不安ばかりだった私はとても救われました。アフィニティさんのサポートがあるなら大丈夫だ!とドイツに旅立つことができました。

留学中は、語学学校のこと、ホームスステイ、ビザのことなどたくさん助けてもらい、このサポートがなければ、 私は今ベルリンにいないと思います。問題ばかりもちこんで、メールの返信も遅い私に素早く対応してくれるでとても頼りにしていました。

最後にこれからの目標があれば、どうぞ!

あまり「考えすぎないように」やっていきたいと思います。考えすぎて頭でっかちになり、やる前にセーブしてしまうことがあります。そういうのを取り払って、いろんなことにチャレンジしていきた いと思っています。

すでにドイツ語で夢を見るほどドイツ語漬けのMさん。今回の貴重な体験記、ご協力いただきありがとうございました。今後のご活躍、充実したベルリンでの大学生活をお祈りしております!
(ベルリンでの美大生活についてはこちらを併せてお読みください)

さらに、今回インタビューに協力してくださったM.Tさんのブログはこちらです。

ベルリンでの美大生の日常を等身大に綴ったブログで、Mさんのお人柄も垣間見れますよ。ご自身の体験をもとに書かれているので納得の文章。質問なども随時受け付け中とのことです!

春のアートセミナーの様子

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PROFILEこの記事をかいた留学カウンセラー

私はドイツのデュッセルドルフで約10年間、ドイツ語講師および語学学校の日本人ヘルプデスクを担当してきました。2021年1月よりアフィニティでドイツ留学カウンセラーとして働くこととなりました。ドイツの大学進学やドイツ語留学、ドイツ語レッスンなどで皆様のお手伝いをさせていただけるのを楽しみにしております。