・せっかく公務員試験に合格し、安定した給与とボーナスをもらうことができる職をどうして手放すのか?
・大変なことももちろん多いがその分やりがいがある仕事。本当に辞めて後悔しないか?
人に言われずとも自分が一番わかっていて悩んでいるのに、不安を煽るように同じような質問を多くの人に問われました。
気持ちは揺らぎましたが、否定されても諦められなかったのは、最初から私の中では答えが決まっていたのかもしれません。
目次
自分の気持ちを確かめるために行ったロンドン
私が初めてロンドン留学に行ったのは、国家公務員在職期間中でした。
消化できずに毎年切り捨てられていく有給休暇を、まとめてここで取ってやれと30日程まとめて取得しました。
夏季休暇3日と土日祝日を含め合計8週間程日本を離れることにしたのです。
たかが8週間されど8週間。
この休みを取る為に、長い期間をかけて上司に嘆願し、周囲の協力を得て留学に行くことができました。
今、海外に行くことをためらっている方も同じような悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか?
学んだのは英語だけではなかった
留学に行く目的はもちろん英語を学ぶためでした。
数週間でペラペラになれるとは思ってはいませんでしたが、英語で外国人の友人と話す自分の姿を夢見て渡英しました。
しかし実際に語学学校に行ってみるとPre-intermediate(初級~中級)クラス。
英語力が高いクラスにはイタリア人やフランス人等の西洋人が多くいましたが、自分のクラスには日本人を含めアジア人が多く、西洋人の割合は少なめ。
正直、思い描いていたものとは違う・・・そう感じました。
「どうして私がこのクラスなの?!私は上のクラスに行きたい!」と先生に直談判をしているフランス人やベルギー人を横目に、私はますます委縮してしまいました。
そのせいで私は「私の英語は下手だから」「私まだ話せないから」という言い訳じみたセリフをよく口にしていました。
しかしその時同じクラスにいたロシア人弁護士の女性が「話せないなんて言う必要はない。私たち同じクラスじゃない!みんな話せないのよ。英語の勉強は日本に帰ってからもできるんだから、今はみんなでご飯を食べたり遊びに行ったり、今しかできないことをするべきよ」と言ってくれました。
私よりは流暢な英語でしたが、不慣れな英語で必死に伝えてくれた彼女にとても感謝しています。
社会人の多くは、「必ず英語を身に付けなければならない!」というプレッシャーを感じている方が多いかと思います。
しかし、様々な経験を積んできた社会人だからこそ、自分の経験を活かしてより多くの方と情報交換ができればいいのではないでしょうか?もちろん、海外で出会う日本人との出逢いも貴重です。そこでできた繋がりや、手に入れた情報は一生ものの財産となるでしょう。
イギリス文化だけじゃない!多種多様な文化が混ざり合うロンドン
ロンドンはヨーロッパにおける政治、経済の中心地であることはもちろん、芸術文化の発信地としても有名です。
移民も多く、様々な文化を楽しむことができます。
「オシャレなロンドナー」という言葉を日本でよく耳にしますが、正直誰が本物のロンドナーなのか分からないほど多くの人種がロンドンで生活しています。
私が働いていたスターバックスコーヒーのバリスタは、白人7割、黒人1割、中東1割、アジア人1割でしたが、その中で生まれも育ちもイギリスでイギリス国籍を持っていたのは、黒人の女の子1名だけでした。
見た目だけでは判断できないという世界の縮図をそこで見た気がしました。
また、ロンドンにいる人がみんなオシャレかというとそうでもありません。
オシャレに対する細かい気配りや、技術の器用さはアジアの方が長けていると思います。
もちろんアジアと西洋でオシャレの概念が違いますし、オシャレを重要視する度合いも人それぞれですので比べられません。しかしすっぴんスニーカーでロンドンの金融街をさっそうと歩く女性が多いことも事実。(鞄にヒールが入っていて勤務先で履き替えるケースも多いようですが)
たしかに多くのアジア人が自国にいるときよりもナチュラルメイク、カジュアルな服装である女性は多いと思います。
やっぱり社会人として社会に貢献しながら生きていきたい
カルチャーショックや自分の英語力の悩みを抱えながらも、やはり留学生活は新鮮で、とても有意義なものです。
友人と放課後にカフェに行ったり、ロンドン近郊都市に行く計画を立てたり、習い事をしたりと、イギリス生活を満喫していました。
しかし、ふと思うのです。
「私、今、働いていないんだな・・・。カフェでコーヒーをサーブしてもらいながらも、私は数週間労働をせずにただただお金を使っているばかり・・・」
あんなに毎日長時間、有給休暇も取らずに働いていたのに、私は今労働を行っていない。
その事実を見つめなおしてみた時、私はやっぱり働きたいんだと感じました。
これは、社会人の方に多い傾向だと思います。
もちろん休暇だと割り切って楽しんだり、英語学習に集中できる方もいらっしゃると思います。
しかし長年働くことが習慣化しており、働かないと落ち着かないという方も散見されます。
社会人の方はワーキングホリデーで渡英し働くプランや、もしくは就労が認められている国で語学+アルバイトというプランもおススメです!
ワーキングホリデーでロンドン生活に再チャレンジ
私は、ロンドンでの語学留学から帰国後、国家公務員の職務に戻りましたが、どうしても海外生活への憧れが諦められませんでした。
たった8週間ではありましたが、母国語以外でコミュニケーションを図る生活はとても刺激的で、いろんな国から夢や可能性やより良い暮らしを求めて多くの人が訪れる都市ロンドンに戻りたいと思いました。
しかし、社会人として働く経験をしていた私は、人生の大部分を占める「仕事」を充実させねば、ただ海外に行くだけでは物足りないと感じていました。
色々調べましたが、公務員として海外に派遣されるまでには時間がかかりすぎるし、自分の好きな国には行けないんだと気付き、イギリスのワーキングホリデーに応募しました。
社会人だからこそ!働いて改めて感じた英語&コミュニケーション能力の重要性
アルバイト経験がある方や社会人の方はわかると思います。
仕事をするにあたって、同じ日本語という言語を使っているにもかかわらず、コミュニケーションを取ることが難しいことはありませんか?
あの人何考えてるのかしら?
意味が分からない。
常識で考えたらわかるでしょ、ちゃんとしてよ!
上司、同僚、後輩、取引先、お客様に対しそのように感じたことは誰でもあると思います。
海外で働くという事は、そのコミュニケーションを英語で行わなければならないということです。
本人に直接伝えるにしても、根回しするにしても英語で行わねばならないのです。
また、お客様にご説明となると、誤解されないように、より丁寧な英語でお伝えしなければなりません。(いくら英語に敬語が無いと言っても、カスタマーサービスでは丁寧な英語が必要とされるケースが多くなります)
日本でも海外でも同じことが言えますが、生まれ育った環境、経験してきたこと、その人の性格によって物事に対する考え方が異なります。
自分の常識が相手(社会)に通じないのは当然のことなのに、同じ日本社会にいるというだけで、理解できないあいつはおかしいという認識に陥りやすいと思いませんか?
海外では日本よりもさらに自分の常識が通じなくなります。
逆に日本人よりも自分を理解してくれる外国人に出会うことも有ります。
コミュニケーション能力の大切さを再認識できる絶好の機会となる為、社会人の方が海外に出るというのはとても有意義なものとなるのです。
ロンドンらしい国際恋愛&結婚事情
ロンドンには多くの日本人が住んでいます。
駐在で派遣されている人、留学生、ワーキングホリデー、永住権保持者等様々です。
永住権を持っている人は昔からイギリスに滞在している方もいれば、イギリス人配偶者(ヨーロッパ人配偶者)と結婚したため移住している方もいます。
結婚されている方たちの出会いの場所は、日本だったり海外だったりと様々です。
最近ではデーティングアプリやランゲージエクスチェンジで出会ったという方も多く聞きますね。
留学やワーキングホリデーの短期間だからとあなどるなかれ。
- 語学学校で出会って1ヶ月でお付き合い、留学後も遠距離を続けゴールイン!
- シェアハウスで出会った彼が、ロンドンで世話を焼いてくれてるうちに旦那様に・・・♡
- ロンドンのワークショップで一目惚れ、彼女の帰国をきっかけに彼からプロポーズ!!
- 友人の紹介で交友関係を続けていた相手と帰国直前に恋愛関係、遠距離からの結婚
等々、嬉しいご報告を多数耳にしてきました。
もちろん結婚を目的に海外に行くわけではありませんが、自分が行動を起こすことで、日本では出逢えなかった人との運命が動き出します。
海外で出会った日本人とご結婚され、海外に住み続けているご夫婦も多いかと思います。
ロンドンでの留学にかかる費用例(1ヶ月)
ロンドンで1ヶ月語学学校に通い、学生寮に滞在する場合の概算費用を参考にご紹介します。なお、語学学校の場所や受講コースによって料金は変わりますし、時期によっては語学学校が割引オファーを出していることもありますので、ぜひご相談ください!
入学金 | 約10,000円 |
授業料 | 約130,000円 |
寮手配料 | 約7,000円 |
学生寮 | 約110,000円 |
教材費 | 約5,000円 |
航空券(往復) | 約150,000円 |
海外旅行保険 | 約30,000円 |
合計 | 約442,000円 |
*£1=142円で換算した場合
*上記概算費用と別に、海外送金手数料、交遊費、交通費等がかかります。
*航空券については時期によって金額が変動します。
*保険については加入プランに応じて金額が変動します。
社会人が留学するのに必要なこと
留学するのに必要なことは、それはもうたくさんあって、細かいことを数え上げればきりがないぐらい!
しかし、社会人の留学に特に必要な物を挙げるとすれば、「固定概念」や「自分の常識」を無くすことです。
- 休職/退職なんてできない。体裁が悪い。
- 有給取りたいなんて言えない。
- この年で海外に行きたいなんておかしい。
- 苦労して入社したんだから定年まで働かなきゃ。
- 結婚して出産して早く一人前にならなきゃ。
誰かにルールを決められたわけではないのに、自分で思いこんだり決めつけてしまっている方は意外と多くいらっしゃいます。
社会人が留学するにあたっては、長い時間をかけて自分を縛ってきた足かせを思い切って外すことかもしれませんね。
大なり小なり不安は付きまといますが、他者や他の文化を受け入れる覚悟、自分のアイデンティティの変化を楽しむ余裕を持って海外に飛び出してみてはいかがでしょうか?
留学をきっかけに生まれる気持ちを大切にしてください
社会人には社会人なりの海外の楽しみ方があります。
お金が自由に使えたり、過去に旅行した場所と比べ文化の違いをより深く感じたり、若い方とは違う海外生活ができます。
・留学は若いうちに行く方がいい
・社会人経験を積んでから行く方がいい
どちらがいいかを比べることは出来ませんが、自分が選択した道を、今の自分が精一杯取り組めれば、有意義な物となるのではないでしょうか?
早すぎる、遅すぎる等という事は考えても意味がありません。
「今」の自分がどうしたいか、何をしたいのか、という気持ちを大切にしてください。
なぜ大人が留学することはネガティブにとられる?
大人の方、社会人の方が留学やワーキングホリデーをためらうのは、
- 今の仕事を辞められない(給与面、体裁の問題)
- 仕事を辞めた後キャリアに傷がつかないか不安
- 遊びに行った、日本社会から逃げたと思われる
- 英語が話せない、英語力がついてから行きたい
等の理由が多いのではないでしょうか。
行かない理由・行けない理由はいくらでも出てきます。
しかし、言葉にできない行きたい理由の方が、何年たっても心に残っていたりしませんか?
海外に行きたいと思い始めた今日から留学準備は始まっています。
私は留学会社でパンフレットをもらって、家に帰るまでの間、とてもワクワクしながら帰ったことを覚えています。
結果として、あの日自分が計画していた以上に海外に滞在することとなり、いいことも悪いこともたくさん経験しました。
そして、社会人だからこそ手に入れることができたチャンスも確かにありました。
社会人の皆さん、遅すぎることはありません!
自分の経験を活かして、海外で活躍できる方法はたくさんあるので、あきらめないでくださいね!