アメリカ留学したいと考えたら、必ず一度は調べることになるのが「ビザ」のこと。ビザの手続きって難しそうですが、留学という経験の中で大切な過程の一つです。アメリカの学生ビザ取得に関する最新情報と、重要なことについてまとめてみました。
目次
1.そもそもアメリカの学生ビザとは?
アメリカに観光で渡航する際には「ビザ免除プログラム」であるESTAを利用して入国ができますが、「学校に通って勉強する」ことが目的となる留学の場合には、学生ビザの取得が必要となります。
アメリカに留学したい人は、「学生ビザ」をアメリカ大使館に申請します。アメリカ大使館は、申請書類の情報を元に審査して、「ちゃんと勉強することが目的だから、入国させても大丈夫」との証明を出します。
このビザは、アメリカに入国する際に空港で必要となります。飛行機を降りてイミグレーションエリアに進むと、審査官がいるカウンターで一人一人入国目的を聞かれることになりますが、この時にアメリカ大使館発行の「学生ビザ」と、学校から発行された入学許可証「I-20」を提出し、入国審査を受けることになります。その上で、「学校に通って勉強する」ということを審査官に伝えます。
入国審査官から入国を許可されると、晴れてアメリカでの留学生活のスタートです。
2.アメリカの「学生ビザ」には種類がいくつかある。
アメリカのビザは入国目的別に種類がたくさんあり、「学生ビザ」の中でも学ぶ内容別に更に分かれています。
デザインの学校や美容学校、ダンスや音楽の学校など、専門技術を学ぶための学校に通う場合は「M-1」が必要です。また、「学生ビザ」の枠からは外れますが、アメリカの大学に通う場合でも技術研修や研究が目的の場合は「J-1」が必要となっています。研修医として大学に通うケースなどが該当します。
一般的な留学に必要なのは「F-1」
語学学校で英語を学ぶ、アメリカの大学で学位を取得する場合などに必要な、最も一般的な学生ビザは「F-1」です。F-1ビザに該当するかどうかは、「フルタイムの学生」であるかという点がポイントとなりますが、この「フルタイム」の定義は、留学先が語学学校の場合は「週18時間以上授業を受ける」こと、高校や大学の場合は「1学期に12単位以上を取得する」こととなっています。
3.ESTAでも留学ができるのか?
観光で入国するときは、3ヶ月まで滞在ができることをご存知の方も多いと思います。また、 学校に通うとしても、3ヶ月以内ならビザはいらないと聞いたことがある人もいると思います。このあやふやな部分、ぜひ明確にしておきたいですね。
アメリカ留学が3ヶ月未満ならESTAでOK
学校の授業が週18時間未満であるなら、「フルタイムの学生」とは言いません。更に、アメリカ滞在期間が90日以下であるならば、観光旅行と同様ESTAで入国できることになっています。
尚、滞在期間が90日以下だとしても、授業が週18時間以上あるコースに通う場合はフルタイムの学生となり、F-1ビザが必要です。ちなみに、F-1ビザが必要かどうかは自分で判断するものではなく学校が判断をします。
学校に聞けば教えてもらえますので、ビザが必要かどうか明確でないコースの場合には、入学申込の問い合わせをする際に併せて確認するようにしましょう。
4.アメリカ留学のビザ取得手続きは自分でできるのか?
学生ビザ取得のためには、大きく分けて2つの手続きがあります。
- 学校への入学申請をして、入学許可証(I-20)を発行してもらう
- 必要書類を揃えてアメリカ大使館でビザ申請手続きをする
いずれも基本的には、個人でできる作業です。ただし、手順は日本語で説明されているとはいえ、実際の手続きはアメリカの学校とアメリカ大使館に向けて行うため、すべて英語です。
これから英語を勉強する身には難しいことも多いのは確かですが、乗り越えれば確実に自分の力となります。しかし、ミスがあっては却下されてしまいますので、ご不安な場合には留学エージェントに相談をすることをおすすめします。
5.ビザ取得費用は何にどれぐらいかかる?
パスポート取得費用 (これから取得が必要な人のみ) | 5年間有効: 11,000円 10年間有効:17,600円 |
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入学許可証(I-20)を発行 | 学校のApplication Fee(申込手数料)料金は学校次第ですが、最近は$350前後というのが一般的のようです。 |
I-20送料 | 学校によります |
ビザ申請料金 | $160 |
SEVIS費用 | $350 |
SEVISとは
6.F-1ビザを取得するための具体的な手続き
① パスポートの準備
この先の手続きにパスポート番号が必要になります。持っていない場合はまず取得手続きをするとよいでしょう。既にパスポートを持っている人も、有効期限はI-20に記載される期間プラス6ヶ月は必要です。念のため確認しておきましょう。
② 銀行残高証明書の発行
銀行に依頼して、英文の残高証明書を発行してもらいます。学校の入学申請と大使館へのビザ申請の際に必要となります。証明額は学校によって異なりますので、学校から指定の額以上を口座に用意しましょう。ビザ面接日から遡って3ヶ月以内に発行されたものであるのが望ましいです。
③ 学校の入学許可証(I-20)を入手する
通いたい学校が決まったら、学校に問い合わせて入学申込手続きを行い、必要な費用を支払ってI-20を発行してもらいます。I-20は郵送されてくることになりますので、ビザ申請の期間も考慮して余裕を持って手続きができるといいですね。
④ 証明写真の撮影
6ヶ月以内に撮影した5×5 cm、背景「白」のカラー写真が必要です。日本の証明写真は背景「ブルー」が一般的なので、撮影の際に注意しましょう。また、眼鏡をかけた状態の写真は不可となっています。普段眼鏡をかけている人は忘れずに外して撮影してもらって下さい。
写真は、面接時に提出するものと、オンラインアップデート用のデータも必ず取得しましょう。
⑤ アメリカ大使館のサイトでビザ申請書類DS-160を作成する
申請書類をオンラインで作成します。入力には結構時間がかかりますが、保存もできますし中断して再開することもできます。一気に終わらせたい場合は2時間は見ておくようにしましょう。先に説明サイトを読んで、必要な情報をあらかじめ調べておくとスムーズです。
作成が完了したら、バーコード番号が記載された確認ページを印刷しましょう。
⑥ アメリカ大使館での面接の予約を行い、ビザ申請料金を支払う
面接日程を選べる場合は、学校が始まる日、日本から発つ日のことなども考慮して選びましょう。書類に不備がなく無事ビザが発給されることになったら、通常面接日の1週間後ぐらいに手元に届くことになります。
面接予約が完了したら、予約確認ページを印刷しておいて下さい。アメリカ大使館での面接時に提出が必要です。
⑦ SEVIS費用を支払う
I-20に記載されている「SEVIS ID」を元に、費用を支払ったら領収書を印刷しておきます。領収書は大使館での面接時に必要な書類の一つです。
7.アメリカ大使館での面接について
必要な書類を全て揃えて、予約日時に大使館に行きます。英語での面接は緊張する方もいるとは思いますが、これから留学するにあたっての最初の試練だと思ってがんばりましょう。
面接が終わると、ビザが許可されるかどうかがその場で分かります。ビザが許可されるということが分かったら、渡航のための航空券の予約ができますね!
8.その他の注意点
充分に時間の余裕を持って手続きを始めましょう。情報収集にじっくり時間をかけて準備を万全に整えて面接に臨んで下さい。
また、航空券代をおさえるために、早く手配してしまいたい気持ちはあると思いますが、書類の不備があるとビザの再申請が必要になり、予定通りに出発できなくなる可能性もあります。節約するつもりで早く手配して、逆に航空券代を無駄にすることにならないように、注意していただきたいと思います。
アメリカに学生ビザで入国できるのは、I-20に記載されている開始日の30日前からです。早めに手続きをして学生ビザが手元に届けば、早めに出発して授業が始まる前にその土地に慣れるという意味での準備ができるかもしれませんね。