【YMS2024】イギリスで語学学校に行く必要はない?行くべき?|語学学校のメリット・デメリット

こんにちは。
イギリス担当、British Council認定アドバイザーの中里です。

イギリスにYMSビザで渡航する方で、語学学校に通われるかどうかを悩まれている方、非常に多いと思います。

この記事では、YMSビザで渡英する場合に、語学学校に通うメリットとデメリット。

語学学校に通ったほうがいい人と、行かないほうがいい人。

学校に通わない人が、イギリス生活をスタートする上で参考になる情報のご案内。

具体的なお金の話をまとめました。

これは15年間、私がYMSの渡英サポートをしてきた視点からみたアドバイスです。

悩まれている方の参考になれば幸いです。

語学学校でできること

まず初めに、語学学校でできることについて整理したいと思います。

1、英語の勉強

当たり前ですが、英語の勉強ができます。

  • 一般英語コース(General English)
  • ビジネス英語コース(Business English / English for Work)
  • 資格対策コース(IELTS / ケンブリッジ英検対策コース)
  • その他専門英語コース

2、ホームステイ手配(滞在先の確保)

語学学校に申込みをすると、学校手配のホームステイ、学生寮、Student Houseに滞在が可能。

最短1週間〜、コースを受講している間は滞在可。

3、友達・ネットワーク

YMSでイギリスに渡航する方の多くが、現地にネットワークゼロ、知り合いゼロの方が多いです。
その点、語学学校には日本人含む世界中から留学生が集まってくるので、イギリスでのネットワーク作りに最適な環境です。

4、学校スタッフからのサポート

学校によりサポートしてくれるレベルは異なるものの、学校生活のことはもちろん、家探しや仕事探し、携帯電話や銀行口座開設についての相談に乗ってくれる学校もあります。

日本人スタッフが在籍する学校であれば、日本語での相談も可能。
学校によっては、24時間体制で緊急時の対応を行っている学校もあります。

5、アクティビティ

語学学校では、英語の勉強以外に放課後や週末に希望者が参加できるアクティビティを用意しています。
アクティビティは学校によっても様々で、スタッフが周辺の施設・エリアを一緒に歩きながら街紹介をしてくれるCity walkや、教師を交えて他の留学生と一緒に参加するカンバセーション・クラブを開催。
パブナイトや演劇を見に行ったりと、慣れない街での新生活を楽しくスタートできます。

6、就職支援サポート

就職支援サポートは行っている学校と、サポートしていない学校があります。
Job clubを行っている学校では、英文履歴書の書き方や添削、仕事の探し方から面接の指導も行ってます。

7、自習室&図書室

学校の自習室を利用できます。
多くの場合、図書館のように英語の参考書も貸出されているので、授業以外の時間帯に勉強を頑張りたい人には理想的な環境です。

YMSビザで語学学校に通うことのメリット・デメリット

メリット

  • 英語力を伸ばすことができる
    • 海外で暮らすなら最低A2レベル以上の英語力が理想
    • 英語を使って働くにはB2レベル以上の英語力が必要
  • 滞在先が確保できる
    • 渡英後、シェアハウスを見つけるまでの滞在先を確保できます
  • 友人・ネットワークが広がる
    • 仕事探しや家探し、ローカル情報の入手など、自分よりも在英歴が長いイギリスの先輩と繋がれることは大きなメリット
  • イギリスでの仕事探しのアドバイスを受けられる(学校による)

やはり、何と言っても一番大きなメリットは、英語力を伸ばすことができる点と、新しい土地でのコミュニティにスムーズに入っていくことができる点です。

「せっかくのイギリスだから、日本人とは交流したくない!」と言う意見もありますが、私個人のお勧めとしては、外国人との英語オンリーの環境、コミュニティを作ることはもちろん大切ですが、それと同じくらい、日本人同士のコミュニティ、出会いも是非大切して欲しいと思っています。

同じく海外での暮らしを目指し、イギリスで出会えた日本人とは、日本の会社や学校で出会う人達とはまたちょっと違った、何か感性、感覚的な繋がりを感じることができるはず。

一生の友人に出会える方も多いはずですよ。

(英語力のことを考えると、できればシェアハウスは英語オンリーの環境で見つけられると理想的ですよね。)

既に他国で語学留学・ワーキングホリデー経験のある方ほど、語学学校で現地ネットワークを作ることの大切さを実感されており、敢えて日本人留学生の多い語学学校を希望される方もいらっしゃいます。
海外生活を経験したことがあるからこその発想ですよね。

デメリット

  • 授業料がかかる
    • ロンドンの平均的な1ヶ月間の授業料の相場は約1,000ポンド(約20万円)
    • 格安語学学校なら、1ヶ月間の授業料は約10万円前後〜入学が可能
  • 英語力を伸ばすのに時間がかかる
    • 英語力が初級レベルA1の場合、最低限イギリスで暮らしていく上で欲しい英語力A2レベルを身につけるまで2〜3ヶ月間は必要。
    • 初級レベルの方が、ビジネスレベルの英語力やローカルのお店、カフェ等で英語を使う仕事を探すなら、B2レベル以上を目指す必要があり、最低6ヶ月間以上は勉強が必要。
  • 学校に通っている期間はアルバイトのシフトに影響が
    • 日本食レストランで働く場合、ランチタイム(10時頃〜15時頃)のシフトに入ることが難しく、ディナータイム(17時〜23時頃)と週末のみ働くことが可能

デメリットはなんといっても、授業料がかかること。
ロンドンの語学学校の1ヶ月間の授業料の相場は約20万円前後。
もし英語力ゼロの方が最低限イギリスで生活していくために必要な、英語力A2レベルを身につけるには、勉強に必要な時間に個人差はあるものの、通常2、3ヶ月間の通学が必要です。

格安語学学校に通う場合でも、20万〜30万円、平均的な語学学校に通う場合、40万円〜60万円程度かかります。(学校によってYMS限定の特別割引:授業料30%オフ!等の特典もありますので、是非活用してみてください。)

次に、授業の時間とアルバイト先のシフト時間が被ってしまうと、せっかくの働けるチャンスを逃してしまうことも。

語学学校に通いながら働く場合には、飲食業の場合、ディナータイムと週末のみシフトに入ることが可能です。(生活費をカバーする点では、問題ありません。)

学校に行ったほうがいい人、行かないほうがいい人

判断基準1:予算

語学学校に行ったほうがいい人と、行かないほうがいい人の、1つ目の大きなポイントはズバリ予算です。

YMS実現に掛かる最低予算は122万円〜とご想定ください。
これは、語学学校には通わず、ただYMSビザを取得、イギリスへの渡英費、保険代金、新生活スタートにかかる予算です。
新生活に掛かる費用は、月額20万円と想定し、20万円 ✕ 3ヶ月分の60万円で計算しましたが、実際にはもっとかかります。(下記画像内の留学保険代金:年間約17万円〜に関しては、加入義務はありません。)

ですので、YMSのために使える予算が、ビザ申請料金含め122万円以下になる場合には、語学学校に通わない事をおすすめします。

ムリなプランニングをして、何となく語学学校に申込みをしてしまうと現地で予算が足りなくなり、想定外の日本帰国になってしまうと非常にもったいないです。

逆に、最低限142万円(最低予算122万円 + 1ヶ月間授業料20万円)以上の予算を確保することができる場合には、語学学校に通うことを選択肢に入れても大丈夫です。

学校に通える期間は最低予算122万円+◯◯万円の予算を確保できるか次第、またどのレベルの英語力を目指すか次第になります。

判断基準2:英語力

次のポイントは、英語力です。
イギリスで暮らしていく上で最低限欲しい英語レベルがA2レベルです。
英語レベルの判断は下記の表を参考にしてみてください。

段階CEFR能力レベル別に「何ができるか」を示した熟達度一覧
熟達した言語使用者C2聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。
C1いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。
自立した言語使用者B2自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。
B1仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。
基礎段階の言語使用者A2ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。
A1具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。
British Council ウェブサイト参照)

海外で生きていく場合、最低限A2レベル以上の英語力があることが望ましいです。

そのため、もし現在の英語力がA1レベルの場合には、語学学校に通われることをおすすめします。

渡英後、日本食レストランでアルバイトを希望されている場合には、働く上で英語には困らないかもしれません。
ですが、何かあった時に、いざという時に、自分自身で問題を解決できる最低限の英語力を身につけておくことは、海外で外国人として暮らしていく上で非常に大切です。

逆に、英語力がA2レベル以上、アルバイト先は日本食レストランの洗い場担当など、キッチンスタッフ(英語力を必要としない業務)で働くことを希望されている場合には、何となく、みんなが行っているから…といった理由で語学学校に通う必要はありません。

日本食レストランでしたら、他のYMSの日本人が働いている可能性が高いので、そこから広がる日本人ネットワークがあります。

実際にMixb Londonの求人情報で、「銀行口座開設等もサポートしますよ」「YMSの方も多数在籍、皆情報交換しながらエンジョイしていますよ」と謳ってる日本食レストランの募集も見かけたりします。

もし仮に現在の英語力がA1レベル、英語の勉強が必要だけど予算的に語学学校への通学が難しい…という場合には、渡航前にリーズナブルなオンライン英語レッスンを受講し、少しでも英語力を伸ばした上で渡航するという選択肢も。

留学やワーホリ経験があり、既にB2レベル以上の語学力がある方からも語学学校に通うかどうかについてご相談を受けることがあります。
私としては、お金がもったいないので語学学校に通わなくてもよいのでは?とご提案することが多いです。

ですがもし、既に英語力がB1+〜、B2レベル程度ある方が語学学校に通う場合には、英語力の証明として履歴書にも書くことができる、ケンブリッジ英検FCEの資格取得を目標にされるとよいかと思います。
英語力の証明として帰国時のご自身へのお土産になります。

1ヶ月間程度の短期間で通うなら、英語のブラッシュアップ及び、イギリスでのネットワーク作りを通学の目的として検討されるとよいかと思います。

参加予約はこちら

判断基準3:現地サポート

渡英後に現地サポートが欲しい方は、語学学校に通うことをおすすめします。
特に日本人スタッフが在籍する語学学校であれば、家探しや仕事探し、例えばシェアハウスを探す上でどのエリアが安心かなど、在英歴が長い日本人スタッフに日本人の感覚で相談ができる点は非常に魅力的です。
語学学校によっては24時間体制で緊急時の連絡先を準備してくれている学校もあります。

実際に日本人スタッフが在籍する一部の語学学校を選ばれる方には、弊社の現地オフィスのサポートはまずご案内しておりません。
学校側が、弊社の現地オフィススタッフレベルのサポートをしてくれています。

また、既に留学・ワーホリ経験があり、海外での暮らしに慣れている方は語学学校は不要です。
特に英語圏での留学・ワーホリ経験があれば、シェアハウスの探し方や、仕事の探し方にはイギリスでも大きな違いはなく、そうそう困ることは無いはずです。

英語力がB2レベル以上であれば、日系の人材会社に登録することでお仕事も紹介してもらえます。
日本の派遣会社のイメージに近いです。

また、もし万が一体調不良になってしまった場合や、事故、怪我をしてしまった場合などにも、海外留学保険に加入さえしておけば24時間体制で日本語での無料サポートを受けることが可能です。
(ビザ申請時にIHS料金を支払ったことで、無料でイギリスの医療サービスを受けることは可能ですが、保障が足りな部分が多いです。弊社のグループ会社、英国ニュースダイジェストでNHS・GPについてまとめていますので、参考までに。)

ただし注意点として、語学学校に通わない場合には渡英直後の一時的な滞在先をご自身で手配する必要があります。
その場合、ホテルでしたら安心ですがやはり高額になりがちです。
例えばロンドン生活で欠かせない日本人向けクラシファイドMixb London (日本語)や、ローカルの方が活用するSpareroom (英語)を使って家探しをする場合、残念ながら詐欺物件もあるようで、実際に内見してからの契約がお勧めです。
(内見は独りで行かず、なるべく誰かと一緒に行けると安心です。)

また中には、Airbnbを利用し、シェアハウスを見つけるまでの一時的滞在先を確保される方も。
これは弊社のお客様から教えてもらった情報ですが、Airbnbでも、マンスリーの長期滞在で契約することで通常料金より安い金額で家を借りることが出来るそうです。

Airbnbでしたら、Mixb LondonやSpareroomと異なり、部屋を貸す人と借りる人の間にAirbnbの会社が入ってくれるので少しは安心感があります。
とはいえ、トラブルがゼロかと言うとそうでもないようです。
もしAirbnbのサービスを利用する場合には、レビューの確認や部屋のオーナーとのコミュニケーション等、是非十分に注意して家を借りるようにしてみてください。

まとめ

この記事では、YMSビザで渡英する際に、語学学校に通うべきかどうかを判断する一つの基準になればと思い、メリット・デメリットをまとめました。

渡航される方、一人ひとりのご事情やご希望、YMSの目的によって、語学学校に通うべきかどうかは異なります。

限りある予算と、貴重な時間を使ってのYMS渡航、是非じっくりとご検討ください。

もし、イギリスの語学学校をお探しの場合には、日本人比率が0%、強制英語環境を作ることができる学校から、日本人スタッフが在籍しており、YMSの方にとって万歳の安心サポートを提供してくれる語学学校まで、幅広くご紹介しております。

オンラインZoom相談(約1時間)は無料でのご案内となります。

是非お気軽にお問い合わせください。

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PROFILEこの記事をかいた留学カウンセラー

大学で建築・デザインを学ぶ。オーストラリアへの休学留学を経て、卒業後にはイギリスでの就学を経験。英語圏、仏を中心に約10年間カウンセラー業務に従事。毎年複数の国を訪問。リアルな情報を基に3000名以上のお客様にカウンセリング業務を行う。