海外大学進学を考える際、より選択の幅を広めてくれる奨学金の存在。
大学卒業後にも返済不要という形や、後々返済をしていくもの、政府が給付しているものから民間組織からのもの、たくさんの種類があります。
これからの海外大学進学の負担を軽減しながら、自分の目標に向けて進みやすくなりますのでどういった奨学金があり、どんな内容・申請条件なのか、この記事で情報収集をしてみてください!
また、進学先の相談も随時受けつけていますので、お気軽にお問い合わせください。
学生支援機構奨学金
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、学生に対する奨学金事業、留学生支援事業、学生生活支援事業などを行う文部科学省所管の独立行政法人です。
日本の学生の学びを支える重要なインフラを提供する学生支援のナショナルセンターとして、次代の社会を担う人材の育成に貢献することを目指しています。
そんなJASSOが提供している海外留学のための奨学金は、主に「給付型奨学金」と「貸与型奨学金」の2種類があります。
給付型奨学金(返済不要)
海外留学支援制度 – 学部学位取得型
学部学位取得型は学士(Bachelor)の学位取得を目指し、海外の大学に留学する方を対象として奨学金を給付する制度です。
例年、募集要項は9月頃に公開され、翌月の10月中旬に応募を締め切られます。一年に一度の申請できるチャンスになりますので、応募を検討している場合は事前の応募要件のの確認や提出書類の準備を進めておくことが推奨されます。
対象者
応募時に日本に在住し、高校等卒業後、海外にある大学で「学士号」を取得する課程に直接進学する者。
※その他、語学・学歴・学業成績・所得要件等があります。
募集時期
9月ごろ
支援内容
奨学金および授業料の支給(給付型)
奨学金:月額5万9,000円〜11万8,000円
授業料:年度300万円を上限とする実費額
※支援額は、政府予算の成立状況等により変更する場合が
あります。
支援期間
原則4年
採用人数
78名(2023年度実績)
詳細はこちら: https://www.jasso.go.jp/ryugaku/scholarship_a/gakubu/index.html
海外留学支援制度 – 大学院学位取得型
大学院学位取得型は修士(Master)または博士(Doctor)の学位取得を目指し、海外の大学に留学する方を対象として奨学金を給付する制度です。
例年、募集要項は9月頃に公開され、翌月の10月中旬に応募を締め切られます。こちらも学部学位取得型と同じく、一年に一度の申請できるチャンスになりますので、応募を検討している場合は事前の応募要件のの確認や提出書類の準備を進めておくことが推奨されます。
対象者
・修士または博士の学位取得を目的として海外の大学院へ留学する者
・学士以上の学位を取得した方または取得見込みの者
※その他、語学・学業成績・年齢制限等があります。
募集時期
9月ごろ
応募先
・大学取りまとめ応募:日本国内の在籍または卒業大学を通じて応募。
・個人応募:応募者が直接応募。
※大学取りまとめ応募が主ですが、一定の条件のもと個人応募が可能。
支援内容
奨学金および授業料の支給
① 奨学金:月額8万9,000円~14万8,000円
② 授業料:年度300万円を上限とする実費額
※支援額は、政府予算の成立状況等により変更する場合があります。
支援期間
・「修士」の学位取得コース:2 年
・「博士」の学位取得コース:原則 3 年
採用人数
151名(2023年度実績)
詳細はこちら:https://www.jasso.go.jp/ryugaku/scholarship_a/daigakuin/index.html
学位取得のための長期留学向け貸与型奨学金(返済必要)
第二種奨学金(海外)
第二種奨学金(海外)は、学位(学士号、修士号、博士号)取得を目的に、海外の大学・大学院へ進学を希望する人、又は海外の大学・大学院に在学中の人を対象とした貸与奨学金です。
海外の大学・大学院に進学する前に申し込む方法(予約採用)と、進学後に申し込む方法(在学採用)があり、申込方法は、海外の大学・大学院への進学時期や、国内の学校を卒業した時期等によって異なります。
詳細はこちら:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kaigai/2shu_kaigai/index.html
第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象)
第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象)は、本機構の給付奨学金「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」に採用された人で、当該奨学金の給付を受けてもなお、経済的支援を必要とする人を対象とした貸与奨学金です。
海外の大学院に進学する前に申し込む方法(予約採用)と、進学後に申し込む方法(在学採用)があり、申込方法は、海外留学支援制度に採用された時期等によって異なります。
詳細はこちら:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kaigai/1shu_gakui/index.html
国内の学校に在学中での短期留学向け貸与型奨学金(返済必要)
第二種奨学金(短期留学)
第二種奨学金(短期留学)は、国内の学校に在学中に、海外の大学・大学院へ3か月以上1年以内(ダブルディグリープログラムの場合は2年以内)の短期留学を希望する人を対象とした貸与奨学金です。
在学する学校長の推薦を得て、短期留学をする前に申し込む方法(予約採用)となっています。
詳細はこちら:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kaigai/2shu_short/index.html
第一種奨学金(海外協定派遣対象)
第一種奨学金(海外協定派遣対象)は、本機構の給付奨学金「海外留学支援制度(協定派遣)」に採用された人で、給付期間が3か月以上あり、当該奨学金の給付を受けてもなお、経済的支援を必要とする人を対象とした貸与奨学金です。
海外留学支援制度(協定派遣)の採用が決定し、個人番号が付与されてから、在学する学校長の推薦を得て申し込みます。
詳細はこちら:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kaigai/1shu_short/index.html
地方自治体奨学金
自治体の居住者やその家族などを対象に、留学にかかる費用を支援する奨学金システムがあります。
数も多く給付型や貸与型など、自治体によって様々な奨学金がありますのでしっかりと今住んでいる自治体の制度を調べて情報を有効に使っていけるようにしましょう。
地方自治体奨学金の例
埼玉県国際交流協会:「埼玉発世界行き」奨学金
東京都瑞穂町:瑞穂町海外留学奨学資金等支給制度
横浜市:横浜市世界を目指す若者応援事業
新潟市国際交流協会:高校生留学支援
福井県グローバル人材基金:長期海外留学等支援奨学金
兵庫県宝塚市:松本・土井アイリン海外留学助成金
ヒロシマ平和創造基金:ヒロシマスカラシップ
福岡県:福岡県アンビシャス外国留学支援
民間団体奨学金
民間団体や企業もグローバル人材の育成のための奨学金制度を設けています。
こちらもたくさんの種類、条件がありますのでよくリサーチをすることを強くお勧めします。
民間団体からの奨学金の例をいくつかご紹介します。
British Council:IELTS奨学金
条件の一例(2023年度)
2021年4月から2023年5月末日までに、日本国内のブリティッシュ・カウンシル管轄の公式テストセンターでIELTSを受験し、オーバーオールスコアで6.0以上を取得した者
支援金額
給付型30万円
募集期間
毎年6月上旬締め切り
詳細
https://www.britishcouncil.jp/exam/why-take-exam/scholarships
公益財団法人柳井正財団(ファーストリテイリング):公募制学校推薦海外大学奨学金
条件の一例
- 米国・英国の対象大学に進学予定の方
- 将来、グローバルな知見を持って各分野をリードし、日本社会の発展に貢献し得る資質を持つ方
- 本奨学金プログラムへの出願時点で、原則、語学試験及び学力試験においてスコアを保持しており、下記の水準以上の方
- 語学試験 TOEFL iBT 90 又は IELTS 6.5
- SAT 1400 又は ACT 31 又は IB 38(予測スコア)
支援金額
給付型年上限US$95,000(英国は£65,000)4年間(英国は3年間)
募集期間
12月中旬から1月下旬
詳細
https://www.yanaitadashi-foundation.or.jp/?pro_code=30005
公益財団法人江副記念リクルート財団(リクルートホールディングス):リクルートスカラシップ 学術部門
条件の一例
- 理系分野を専攻し、世界大学ランキング30位以内(理系分野のby subjectランキングも可)もしくは、各国のランキング1位の大学
- 英語圏の大学を受験する場合、TOEFL100 or IELTS7.0以上のテスト証明書を提出できること
支援金額
年額上限1,000万円 など
募集期間
7月中旬から9月中旬
詳細
https://www.recruit-foundation.org/?pro_code=30005
プルデンシャル生命保険株式会社:Kiyo Sakaguchi奨学金
条件の一例
- アメリカの大学・大学院にて数学科目の専攻を希望する高校生もしくは大学生
- 日本にある高校、大学に在籍していること
- 日本に在住していること
支援金額
年間上限300万円
募集期間
8月末
公益財団法人経団連国際教育交流財団(経団連):日本人大学院生奨学事業
条件の一例
日本の大学または大学院に在籍し、海外の大学または大学院に留学する日本人学生に対する奨学金の支給等を通じて、わが国の学術研究や世界経済の発展に寄与するとともに、国際社会に貢献する人材を育成すること
支援金額
年間350万円
募集期間
8月中旬から9月上旬
公益財団法人経団連国際教育交流財団(経団連):経団連グローバル人材育成スカラーシップ事業
条件の一例
- 日本国籍または日本への永住が許可されている方
- 応募時に財団の指定する日本の大学の学部2年、3年、4年生(学部が6年制の場合は4、5、6年生対象)または大学院博士前期課程(修士課程)の1、2年生の学生
- 交換留学、認定校留学、協定校留学、私費留学等で2023年度中に留学を開始し、海外の大学・大学院に1年間(8カ月以上1年未満)留学する方
支援金額
給付型200万円
募集期間
7月
外国政府奨学金
留学の支援をしてくれる奨学金は、留学先の国を基準に選ぶことも可能です。
各国の政府が留学生に給付している奨学金もありますので、留学先のイメージが明確な方は情報を集めてみてください。
アメリカ
イギリス
英国外務省:チーヴニング奨学金
カナダ
フランス
フランス政府奨学金
海外教育機関の奨学金
大学進学後に大学の基金や奨学金システムから支援を受けることで、留学中の費用負担を軽減させることができます。
学年や、成績、単位数、専攻など様々な条件の中該当するものを探して申請をしていきます。
進学先の目処がたったり、候補が出た時点で大学のウェブサイトから「Scholarship」や「FinancialAid」というキーワードでリサーチして早めに準備をしてくことを強く推奨します。
アメリカ:ニューヨーク州立大学プラッツバーグ校
ニューヨーク州立大学プラッツバーグ校は、教育の質の高さで定評のある、ニューヨーク州立大学(State University of New York:SUNY)64校の1校です。しかも、ニューヨーク州立大学の中でもプラッツバーグ校の奨学金は、留学生全員が対象になっています。
1年目の留学から、$10,000 – $13,500(約148万円 – 約199万円 *1USD=148円の場合)の奨学金を取得することができます。
これにより、年間の学費生活費である$38,450が$24,950 – $28,450に抑えることが可能になる非常に大きなものになります。
オフィシャルウェブサイト: https://www.plattsburgh.edu/admissions/international/tuition.html
アメリカ:マーセッドカレッジ
マーセッドカレッジはカリフォルニア州にある2年制大学です。
2年制大学であるため、比較的学費は安いもののそれでも生活費を含めて約$22,000がかかります。
ただ、そんな生活費や学費を抑えることが可能になる奨学金が大学内にあります。
Merced College Foundationは全生徒が対象となり、160を超える基金が提供する奨学金から、自らの希望する奨学金を複数選択し、応募を行います。多くの奨学金は学生の専攻内容によって絞られ、受賞に際しては学生のGPAとエッセイの内容が吟味されます。
また、Tuition Waiverという留学生を対象とし学費の一部を免除する授業料免除のシステムも存在します。この奨学金を取得することができれば、最大で6単位分の授業料である約$1,500 – $1,800(約22万円 – 約27万円 *1USD=148円の場合)の免除が認められます。
日本語オフィシャルウェブサイト:https://www.yesatmerced.com/%E5%A5%A8%E5%AD%A6%E9%87%91-%E6%8E%88%E6%A5%AD%E6%96%99%E5%85%8D%E9%99%A4/
アメリカ:ヒルズボロコミュニティカレッジ&サウスフロリダ大学
フロリダ州にあるHillsborough Community CollegeからUniversity of South Floridaの3年次に編入する「2+2プログラム」では、対象の生徒に向けた奨学金制度があります。
トビタテ!留学JAPAN
トビタテ!留学JAPANとは、文部科学省により、意欲と能力ある全ての日本の若者が、海外留学に自ら一歩を踏み出す機運を醸成することを目的としてつくられた留学支援制度です。
民間企業や個人からの支援や寄附などにより、官民協働で将来世界で活躍できるグローバル人材を育成します。
日本の大学に在籍しながら、短期で海外大学でのプログラムに参加したり、休学して1年間海外大学で学ぶ際などに利用可能ですので、是非トライをしてみてください。