「スペイン語をほとんど話せなくても留学できる?」
「マドリードとバルセロナ、自分にはどちらが合う?」
「ワーホリで仕事を探すには、どのくらいのスペイン語力が必要?」
スペイン留学やワーキングホリデーに興味はあっても、英語圏と比べて日本語の情報が少なく、現地での生活をイメージできない方も多いのではないでしょうか。
アフィニティ留学では、スペイン在住10年目で、スペイン語学校Enforex(エンフォレックス)にて日本人留学生をサポートしている橋本さんを迎え、オンラインセミナーを開催しました。
当日は、スペイン語初心者の留学、都市ごとの違い、費用、滞在先、ワーホリの仕事について伺いました。参加者から寄せられた質問と橋本さんの回答もあわせて紹介します。
Enforex日本人スタッフ・橋本さん

2026年でスペイン在住10年目。現在はEnforexのマドリード本社で、留学プランの案内や学生サポートを担当しています。渡航前のコース・滞在先選びから、学生ビザに必要な書類の発行、留学中の相談まで、日本語で対応しています。
目次
スペイン語ゼロでもスペイン留学はできる
スペイン語を全く話せなくても、スペイン留学はできます。
橋本さんも、スペインへ渡った当時に知っていたのは「Hola(こんにちは)」と「Adiós(さようなら)」だけでした。Enforexにも、スペイン語を一度も勉強したことがない状態で入学する学生がいます。
初心者クラスでは、アルファベットの発音、あいさつ、自己紹介など、基礎から学びます。講師は英語を交えながら、写真やイラスト、ジェスチャーを使って説明するため、最初からスペイン語で会話できる必要はありません。
ただし、授業を受けられることと、現地で不自由なく生活できることは別です。スペイン語が話せないと、次のような場面で困ります。
- スーパーで欲しい商品が見つからないとき
- レストランで注文するとき
- 電車やバスの乗り方を確認するとき
- 病院で自分の症状を説明するとき
- 役所などで手続きをするとき
- 部屋の内見や契約条件を確認するとき
マドリードやバルセロナなどの大都市では英語が通じる場面もありますが、どこでも英語だけで生活できるわけではありません。
留学前は文法よりも単語を優先する
留学前に何から勉強するか迷ったら、まずは単語です。
正しい文章を作れなくても、必要な単語を伝えるだけで相手に理解してもらえることが多いです。食べ物、買い物、交通、数字、体調など、日常生活で使う単語を覚えておけば、到着直後から役立ちます。
知っている単語が多いほど、授業中も講師の説明を理解しやすくなります。文法を完璧にしてから渡航しようとせず、まずは現地で使う単語を増やしてみてください。
スペイン留学はどのくらいの期間が必要?
Enforexでは、最短1週間から留学できます。休暇を使ってスペインでの生活を体験したい方は、1週間から1か月の短期留学も可能です。
ただし、1か月では現地の生活に慣れた頃に帰国日を迎えます。スペイン語を本格的に学びたい場合は、3か月以上の留学をご検討ください。
ワーキングホリデーで渡航する方も、最初の3か月以上を語学学校に充て、その後の仕事探しに備えるプランが勧められています。仕事探しの目安となるB1レベルに、スペイン語初心者が到達するまでの目安は約18週間です。
橋本さんが勧めているのは、1年程度の留学です。スペイン語を学ぶだけでなく、現地の生活や文化まで経験したい方には、長期留学が向いています。
一人で留学しても友達はできる?年齢で浮かない?

スペイン留学は、一人で参加する方がほとんどです。
授業は少人数制のため、クラスメイトと話す機会があります。休み時間や放課後のアクティビティ、週末の小旅行を通して、さまざまな国から来た学生と知り合うこともできます。
今回お話を伺った橋本さんが勤務されているEnforexとdon Quijote(ドン・キホーテ)では、10代から60代以上まで幅広い年代の学生が学んでいます。
Enforexは大学生など比較的若い学生、don Quijoteは社会人が多い傾向があります。年齢層が気になる方は、自分に近い年代が多い学校を選ぶこともできます。
スペイン留学の都市はどう選ぶ?
スペインは、都市によって気候、物価、街の大きさ、文化が大きく異なります。
都市を選ぶときは、次の点を比較してみてください。
- 大都市と落ち着いた学生都市のどちらで暮らしたいか
- 海の近くで生活したいか
- 仕事を探す予定があるか
- 生活費をどこまで抑えたいか
- 日本人がいる環境と少ない環境のどちらを希望するか
- スペイン語の勉強と現地生活のどちらを重視するか
ここでは、留学先としてよく選ばれる6都市を紹介します。
マドリード|初めての留学・ワーホリにも選びやすい

マドリードはスペインの首都です。公共交通機関が発達しており、勉強だけでなく、観光や現地での生活も楽しみたい方に選ばれています。
小さな都市より仕事の数が多いため、ワーキングホリデーにも適しています。英語が通じる場面もあり、日本からの直行便もあるため、スペイン語初心者が最初に生活する都市としても便利です。
セミナーで橋本さんに「スペイン語ゼロの日本人が3か月留学するなら、どの都市を勧めますか」と質問したところ、回答はマドリードでした。
マドリードとバルセロナで1年間暮らす場合も、観光客が比較的少なく、長期生活にはマドリードを勧めるとのことでした。
バルセロナ|都会、ビーチ、建築を楽しめる

バルセロナは、都会で生活しながらビーチにも行ける国際都市です。ガウディ建築をはじめ、街を歩くだけでもさまざまな建築やアートに触れられます。
マドリードと同様に仕事の数が多く、ワーキングホリデーの渡航先としても人気です。
一方、年間を通して観光客が多く、中心部は混雑します。観光客を狙ったスリも多いため、長期生活のしやすさより、ビーチ、建築、街のにぎわいを優先したい方に合う都市です。
バレンシア|都会すぎず、海にも近い

バレンシアは、マドリード、バルセロナに次ぐスペイン第3の都市です。大都市としての便利さがありながら、マドリードやバルセロナほど混雑していません。
パエリア発祥の地としても知られ、海の近くで暮らせることも特徴です。
「小さな街では物足りないけれど、マドリードやバルセロナほど大きな都市でなくてもよい」という方に向いています。大都市と比べて生活費も抑えやすく、都市の便利さ、海、費用のバランスを取りやすい留学先です。
マラガ|温暖な気候とビーチを楽しみたい

マラガは、スペイン南部のアンダルシア地方にある都市です。温暖な気候とビーチで知られています。
画家ピカソの生誕地でもあり、美術館や歴史的な建築もあります。海辺のリゾートだけでなく、スペインの歴史や芸術にも触れられる街です。
ただし、人気の上昇に伴って住居費も高くなっています。「スペイン南部なら生活費が安い」とは限らないため、滞在費を含めて予算を確認する必要があります。
サラマンカ|落ち着いてスペイン語を学びたい

サラマンカは、800年以上の歴史を持つサラマンカ大学がある学生都市です。訛りが少ないスペイン語を学べる街としても知られています。
街がコンパクトで、多くの場所へ歩いて移動できます。マドリードやバルセロナより生活費を抑えやすいため、観光や仕事よりもスペイン語の勉強を優先したい方に合います。
日本人学生の人数は時期によって異なり、全くいないこともあります。希望する時期の日本人比率は、申込前に学校へ確認が必要です。
セビリア|フラメンコとアンダルシア文化に触れる

セビリアはアンダルシア州の州都で、スペイン第4の都市です。フラメンコをはじめ、アンダルシア地方の歴史、建築、食文化に触れられます。
スペイン語の授業にフラメンコレッスンを追加することもでき、未経験者は基本のステップ、リズム、姿勢から始められます。
海辺の生活や大都市での仕事探しよりも、スペインらしい文化の中で生活したい方に選ばれています。
スペイン留学に必要な費用
Enforexの授業料、学校手配の滞在費、現地生活費を含めた目安は次のとおりです。
| 留学期間 | 費用の目安 |
|---|---|
| 1か月 | 約50万円 |
| 3か月 | 約100万円 |
| 半年 | 約200万円 |
| 1年 | 約300万~400万円 |
この金額に、航空券、海外旅行保険、ビザ申請費用などが加わります。都市、滞在方法、コース、為替によっても総額は変わります。
特にマドリード、バルセロナ、マラガなどの人気都市では住居費が上がっています。授業料だけで判断せず、滞在費と毎月の生活費まで含めて予算を組むことが重要です。
*2026年8月時点の為替で計算した費用の目安です。
ホームステイ・学生寮・シェアパートの違い
Enforexでは、主にホームステイ、学生寮、シェアパート、プライベートアパートを手配しています。
| 滞在方法 | 向いている人 | 特徴 |
|---|---|---|
| ホームステイ | スペイン語を使いたい人 初めて海外生活をする人 | 食事付き 現地の生活習慣を体験できる |
| 学生寮 | 留学生同士で交流したい人 | 食事付き 友達を作りやすい 比較的自由に生活できる |
| シェアパート | 費用を抑えたい人、 自炊したい人 | 食事なし 同じ学校の留学生と暮らす |
| プライベートアパート | 一人の生活空間を確保したい人 | キッチンや浴室を含めて一人で使用できる |
橋本さんによると、Enforexとdon Quijoteの日本人学生には、ホームステイが最も多く選ばれています。学校の外でもホストファミリーとスペイン語で話せるため、会話の機会を増やしたい方におすすめです。
学校が手配するホームステイ先は、大都市では公共交通機関を利用して通学30分以内、小さな都市では徒歩圏内が目安です。食物アレルギーのほか、「ペットがいない家庭」「禁煙の家庭」といった希望も申込時に伝えられます。
滞在先は、途中で変更することも可能です。例えば、最初の1か月はホームステイで現地の生活に慣れ、次の1か月は学生寮で留学生と暮らすといった組み合わせも可能です。
Enforexとdon Quijoteでは、滞在先を12週間以上予約すると長期割引が適用されます。シェアパートには、6か月以上、9か月以上を対象とした割引もあります。
ただし、長期割引の対象期間中は、同じ都市に滞在する必要があります。複数都市で学ぶ場合は、都市を移動する時期と滞在先の割引をあわせて確認してください。
ワーホリの家探しには1か月ほど見ておく
ワーキングホリデーでは、最初の1か月分だけ学校手配の滞在先を予約し、その間に現地で部屋を探す方が多くいます。
部屋探しには、スペインの不動産情報サイト「Idealista(イデアリスタ)」などが使われています。ただし、掲載されている写真と実際の部屋が異なることもあります。契約する前に、現地で部屋を確認してください。
橋本さんは、家探しの期間として1か月ほど見ておくことを勧めています。通学期間中で、学校手配の滞在先に空きがあれば、予約期間を延長できる場合もあります。
スペインワーホリの仕事と必要なスペイン語力

語学留学とワーキングホリデーの違い
スペイン語の習得を優先するなら語学留学、仕事をしながら海外生活を経験したいならワーキングホリデーが適しています。
ワーキングホリデーでも、最初に語学学校へ通うことができます。スペイン語初心者の場合は、渡航後すぐに仕事を探すのではなく、まず語学学校でスペイン語を学び、その後の仕事探しにつなげる流れが勧められています。
学校へ通い終わるまで、仕事を始められないわけではありません。授業を受けながら求人を探し、スペイン語力と条件が合えば、通学中から働くこともできます。
仕事探しに必要なスペイン語力はB1以上が目安
橋本さんによると、スペインで仕事を探すなら、日常会話ができるB1以上が目安とのことでした。
B1未満では職場でのコミュニケーションが難しく、探せる仕事も限られます。スペイン語初心者がB1に到達するまでの目安は約18週間です。日本人を含むアジア圏の学生は、イタリア語やポルトガル語など、スペイン語に近い言語を話す学生より時間がかかる傾向があるそうです。
ワーキングホリデーで仕事をしたい方は、少なくとも3か月以上は語学学校へ通い、仕事探しに必要なスペイン語を身につけるプランが勧められています。
日本人はどのような仕事に就いている?
橋本さんが把握している例では、日本人のワーキングホリデー参加者は、日本食レストランや日本語教師として働いています。
特にマドリードには、日本食レストランやラーメン店がたくさんあります。求人の多さを重視するなら、小さな都市よりマドリードやバルセロナの方が仕事を探しやすいとのことでした。
Enforexとdon Quijoteでは、ワーキングホリデー中の仕事探しに備える有料プログラムも提供しています。スペイン語の履歴書作成や添削、面接練習、現地での仕事の探し方が主な内容です。
仕事探しは夏を避けた方がよい
スペインでは、夏に長期休暇を取る店が多いです。飲食店でも、8月に1か月ほど休業することがあります。
そのため、夏はほかの季節と比べて求人が減ります。橋本さんも、ワーキングホリデーの仕事探しは、できれば夏を避けた方がよいと話していました。
観光客が増える時期だからといって、求人も増えるとは限りません。渡航後に仕事をする予定なら、語学学校へ通う期間と仕事探しを始める時期も合わせて決めておきましょう。
スペインへ行ったことがなくてもワーホリできる?
セミナーでは、「ヨーロッパへ一度も行ったことがありません。ワーホリ前に旅行でスペインを訪れた方がよいですか」という質問が出ました。
橋本さんは、費用に余裕があれば、ワーホリ前に一度旅行することを勧めています。事前にその土地を知っておけば、ワーホリでは土地勘がある状態で生活を始められるとのことでした。
一方、旅行とワーホリで2回渡航すると、その分費用がかかります。費用を抑えたい場合は、下見をせずに最初からワーホリで渡航しても問題ありません。実際に、初めてのヨーロッパ渡航でスペインワーホリを始める日本人も多いです。
スペイン語を話せなくても、マドリードやバルセロナなどの大都市では、英語が通じる場面も多くあります。
生活費を抑えたい方は、最初に小さな都市で生活し、オンラインで大都市の求人を探す方法もあります。仕事が決まってから、勤務先のある都市へ移動できます。
日本人は多い?日本人コミュニティはある?
セミナーでは、カナダに留学中の参加者から、「カナダは日本人が多いのですが、マドリードやバルセロナにも日本人は多いですか」という質問が出ました
マドリードやバルセロナにも日本人はいますが、英語圏と比べるとかなり少ないとのことでした。
マドリードやバルセロナの観光地では日本人旅行者を見かけますが、住宅街では日本人とほとんど会わないそうです。
一方、スペインにも日本人コミュニティがあり、現地在住者向けのウェブサイトもあります。言語交換の情報を探したり、シェアアパートの空室情報も確認できるそうです。
スペインで日本人への差別はある?
セミナーでは、「スペインで日本人やアジア人への差別を感じることはありますか」という質問も出ました。
橋本さんは、スペインで10年間暮らす中で、アジア人であることを理由に道で何か言われた経験は1~2回あるものの、それ以外で差別を感じたことはほとんどないと話しています。
スペインでは日本に興味を持つ人が多く、日本人だと伝えると好意的な反応をされることの方が多いとのことでした。
スペイン生活で知っておきたい日本との違い

スペインで生活を始めると、食事の時間や店の営業時間など、日本との違いに驚くことがあります。
- 昼食は14時以降、夕食は21時以降が一般的
- 約束の時間に少し遅れることは珍しくない
- 日曜日に休む店が多い
- 小さな都市では昼休みに一度閉店する店がある
- 夏に1か月ほど休業する飲食店や商店もある
- 日本のようなコンビニや24時間営業のスーパーは少ない
- 自分の意見をはっきり伝える人が多い
橋本さんは、スペインで10年以上暮らしている現在も、昼食や夕食の遅さには慣れない部分があると話していました。
また、スペインでは自分の意見をはっきり伝える人が多いため、最初は話し方がきついと感じることがあります。公共スペースの清潔さやサービスの細かさにも、日本との違いを感じる方が多いそうです。
都市によって気候も異なる
スペインには日本と同じように四季があります。日本より湿気が少なく、夏は乾燥していますが、気温が40度ほどまで上がることもあります。
冬の気温は6~7度程度まで下がります。マドリードやバルセロナの冬は日本と同じくらいで、南部のマラガなどはもう少し暖かいとのことでした。
スペインは一年中暖かいと思われがちですが、都市や季節に合った服装が必要です。
スリ対策はバッグを前に持つだけでは足りない
スペインでは、地下鉄、バス、観光地、空港などでスリや置き引きに注意が必要です。
橋本さん自身も、これまでに2回スマートフォンを盗まれています。前にポシェットを掛けていた日本人が、エレベーターの中で盗まれた例もありました。
混雑した場所では、リュックやバッグを体の前に持つだけでなく、ファスナー部分を手で押さえてください。ファスナーを開けたり、バッグを切ったりしても、被害者が気づかないほど手慣れています。
- リュックやバッグは体の前で持ち、手を添える
- バッグのファスナーを開けたままにしない
- 財布やスマートフォンを飲食店のテーブルに置かない
- 席を離れるときは、短時間でも貴重品を持つ
- 空港や駅など、人の多い場所では特に注意する
スペインでの生活に慣れた後も、油断は禁物です。橋本さんも、「油断したときに盗られる」と話していました。
日本から持っていった方がよい物はある?
セミナーでは、「日本から持っていった方がよい物はありますか」という質問も出ました。
橋本さんによると、生活に必要な物の多くはスペインでも購入でき、日本食を扱うスーパーもあります。そのため、日本から必ず持っていった方がよい物は、特にないとのことでした。
スペイン留学・ワーホリの準備を始める前に
スペイン語を全く話せなくても、スペイン留学はできます。ただし、ワーキングホリデーで仕事を探す場合は、日常会話ができるB1以上のスペイン語力が目安です。
また、同じスペインでも、都市によって生活費、気候、街の雰囲気、仕事の数が異なります。まずは留学の目的と渡航期間を決め、そのうえで自分に合う都市、学校へ通う期間、滞在方法を選んでいきます。
「都市を決められない」「自分の予算で何か月行けるのか知りたい」「ワーホリの最初に何か月学校へ通うべきか分からない」という方は、まだプランが決まっていない段階でもご相談いただけます。
アフィニティ留学では、スペイン留学・ワーキングホリデーの無料相談を受け付けています。希望する渡航時期、期間、予算、スペインでしてみたいことを伺い、都市選びから学校、滞在先、費用までご案内します。
語学学校・Enforexとdon Quijoteを詳しく紹介しています
セミナー後半で橋本さんに紹介していただいた、Enforexとdon Quijoteの違い、スペイン国内11都市の校舎、コース、複数都市で学ぶ方法、滞在先、日本人スタッフのサポートについて、別の記事にまとめています。













