こんにちは。アフィニティの中里です。本日は、日本の芸術大学卒業後、イギリスのボーンマス芸術大学院進学を目指し無事に卒業、ご帰国されたばかりのオガワさんにインタビューをさせて頂きました。
オガワさんとは2016年から留学支援サポートをさせていただいており、約3年間のお付き合いです。お会いする度に成長されパワフルに前進・活躍されるオガワさんにはいつも元気をいただいています。
小川さんのイギリス大学院進学体験記はこれから海外に語学留学、大学、大学院進学を検討されている方や、アート&デザイン留学に興味がある方にとって、とても参考になる事が多いと思います。とてもリアルなご意見を沢山いただきました。
イギリスの留学生活を垣間見る事ができるお写真も沢山いただきましたので、是非ご覧下さい !
*オガワさんがデザインした映画のポスター | オガワ ハルカさん(26歳) 留学した都市:オックスフォード / ボーンマス |
イギリスに留学したきっかけはなんですか?
大学生の頃からずっと英語圏の場所に留学、または暮らしてみたいという思いはずっとありました。
遡っていくとアート、ファッション、音楽、ドラマや映画の影響は大きいです。好きなものの全てが、英語が理解できたらもっと簡単に情報も多く入ってくるし、楽しいのになあとよく不便に思っていました。
英語圏の中でもなぜイギリスかは、イギリスには行ったことがあって良かった印象、カルチャー的な興味、漠然とヨーロッパに行きたかったことも理由です。紅茶も大好きです笑。
イギリスでの暮しはどうでしたか?
はっきりいって最初は不便です。物価は高いし百均はないしプロダクト品のクオリティは低いしお店はすぐ閉まるし笑。
でもそれって日本が不必要なくらいいそいそしてて、全てを便利にしすぎてるのもあるなと再確認しました。
お店は確かに閉まるのが早いけれど、そのぶん働く時間も短いし。 ただ全体的にやっぱり日本のものって便利なグッズがたくさんあるから、プロダクト品にしろ、システムにしろ、イギリスと日本の半分くらいがちょうどいいのかなあ、と思いました。不思議に思ったのは日本は先進国なのに電子マネーの進出がすごく遅いこと。
家は、語学学校では寮、大学院の初めではホームステイ、後半はフラットシェア、そのあと1ヶ月半くらいホームレスになったり全ての種類のお家に住みましたが、どれもそれぞれ利点と欠点がありました。フラットシェアが一番プライベートがあって総合的には良かったかなあ、と。
あと秋冬のどよんとした雲りばっかりの天気は2年たっても嫌いです。けれども夏は日が長くて10時くらいまで明るかったり、暑い日でも湿気が全然なくて快適です。
イギリスの好きなところと、嫌いなところを教えて下さい。
LGBTQの認知度が高いのは素敵だな、と思いました。私は当事者ではないけれど、やっぱり日本はまだ同性婚が認められてなかったり、セクシャルマイノリティに対してネガティブなイメージが多いから。ブライトンのゲイパレードはすっごく思い出深いものになりました。あとファッションがすごく楽しいです。日本では見ないような面白いデザインでなおかつセールでは考えられないくらい安いものが多いので。他には他人でも結構フランクに街中でも話しかけてくるようなカルチャーも好きです。たまたまカフェで隣になった人にこのコートいいわね、って褒められてそこから会話が弾んだり。バスの下車の時もいちいちありがとうって運転手さんに言うのが普通だったり。
嫌いなところは、コンクリの地面でもあまり平らじゃないからヒールが不便、自転車カルチャーもあまり浸透してないので自転車に乗るのが怖いこと、接客が雑、バスや電車にクーラーがない、お店がすぐ閉まる、家の電球が基本的にオレンジっぽい、アジア人と見た目で判断してとりあえずニーハオって言ってくる酔っ払い(イギリス人に限らず)がちらほらいること。
大学院名・学部
Art University Bournemouth / Ma graphic design (ボーンマス芸術大学院 / グラフィック・デザイン専攻)
の前に Kings Education Oxford校で語学研修・大学院進学準備コース
大学ではどんな事を学ぶ事ができましたか?
グラフィックデザインの学科ではあるのですがアートっぽさもあって、結果の作ったものも大切だけれども、どうしてこのデザインになったのかと言ったプロセスを重んじることが興味深かったです。
日本の大学とイギリスの大学院を両方経験されて、どのような違いをかんじましたか?
日本もイギリスもある程度のテーマが課されたらば、勝手に自分で制作して基本授業というよりかは個人作業で放置されます。自分のプロジェクトを進行してく中で教授の意見を聞きいたりするのは似ていました。明らかな違いは、イギリスではエッセイを書かないといけないことです。これによって自分がどのような過程をへてこれを作ったのか説明したり、作文する際に資料も使うので、日本の大学でやっていたみたくの『なんとなく』で制作することが防げられたと思います。あとはネットワーキングの大切さを学びました。AUBの特色でもあるのですが他の学科のプロとコラボして分業することによって(例えば映画学科の監督が、アクティング学科に俳優、メイク科にメイクアップアーティストを募集したり)作品のクオリティも上がるし、実際に仕事する上でも必要なコミュニケーション能力やコネが得られると思いました。
学校がある日の1日のスケジュール、お休みの日の1日のスケジュールを教えて下さい。
学校がある日は図書館やスタジオにこもって作業、そのあと教授とチュートリアルしてどんな方向にして行くか決める感じです。グループチュートリアルでは同級生の意見も聞けて、たまたま話していた会話の延長で新しいアイディアが生まれることもあります。 また、私は映画学科の人とコラボして映画のセット美術やスタイリングもしてました。その時は撮影現場に一日中出向いたりもしました。
オフの日は特にホームステイしてた時はホストマザーが車でローカルの様々なエリアに連れ出してくれました。犬のお散歩や、ヴィンテージマーケット、観光地の崖など。ボーンマスは素敵な自然が多い地域なので夏は家から10分のビーチによくふらっと行って寝っ転がったりしていました。2ヶ月に一回くらいのペースでロンドンにも出向いて2泊くらいしつつ美術館や観光地を写真をとりながら鬼のように巡ったこともありました。
留学をして、何か変わりましたか?
世界中に友達ができました!語学学校はもちろん、結局院にいる学生って外国人の留学生がイギリス人より多いんですよね。本当に友達には恵まれて、トルコ、フランス、スペイン、ポルトガル、スイスと現地の友達家に泊まらせてもらったり観光案内してもらったりしました。その時限りでなくいまでも
SNSで繋がってたり、コンスタントに連絡する友達がいることはありがたいです。まだまだタイやブラジルの友達も訪れたいです笑。 あとはとりあえずなんでもやってみたらできるなっていう強さ?コミュ力のタフさみたいなのもレベルアップした気がします。本当に語学学校初日なんて何も話せなかったけれど、今は英語がある程度身について院も卒業したので。
よく聞く、留学して価値観変わった!!!ていうのはあんまりないかなあ。でも経験は増えたので視野はそれなりに広がったと思います。 あと物理的には2−3キロ太りました笑。
キャンパスライフはどうでしたか?
結局制作はpcで自分の家やカフェでやってしまうのでキャンパスにはそこまで行ってませんでした笑。映画の撮影は現場だし。 ただ、AUBの図書館は9時まで空いていて、特殊な本やdvdが多いことでも有名で、デザインもモダンで、よく居座っていました。 美大特有のパブリックスペースで急にダンスが始まったり、屋外展示があったり、何気なく大学に行ってみたら何かハプニングしてる事がちょくちょくあって刺激になりました。
あとはインターナショナルオフィスでバイトしていたので、オフィスの方々にはお世話になりました!
最後に引っ越した自力でみつけたフラットの自室(汚い | 図書館(夏休みなので空っぽ) |
大学の夜のライトアップ | 学期終わりの全体パーティ |
留学生活で一番辛かった事はなんですか?
語学学校に留学したての時に、当時日本にいた時から付き合ってた彼氏と遠距離で喧嘩したり管理されたり論破されたことです。英語の勉強もわけわかんないわ、時差で電話して口論してるからストレスだし全てに悪影響でした。文字通り毎日泣いてたし鬱っぽくなってました。もちろん人にもよるんですけど遠距離恋愛は向き不向きや覚悟が必要だなあと。結局お別れしたあとは落ち着けずにパーティ三昧でまた少し勉強もイマイチだったんですが、そこで自分より英語レベルが上の友達が沢山できてスピーキングはぐんと上がりました笑。
一番楽しかったことはなんですか?
これ!と言ったエピソードはないんですけど友達とはしゃいでる時間だと思います。特に旅行してる時って新しいことが多くて、地図見てウェブ見て色々計画して目的地について、その間に予想外のことが起こったり、外国人同士だから互いの文化の違いでもりあがったり。あと写真が大好きなので写真をとりあったりしてる時が楽しいです。他にも鍋パして、そのあとに人狼してる時とか。語学学校時代はアホみたいに団体でクラブに行ってる時期もあったけど楽しかったし。日本にいる時と根底は変わらなくて、気の合う仲間といる時ですね、常にそれで写真撮ってます私は笑。
食事の面で困った事はありましたか?
美味しいレストランはあるけれど高い!!ボーンマスは結構インターナショナルな街なので色々な国のレストランを楽しめてバラエティに富んでました。ホームステイ先では思いの外(失礼)お母さんがお料理上手で、Goustoという食材とレシピ宅配サービスをやっていたのでディナーはひとつの楽しみでした。 あとは何かあるごとにタイの友達のお家で鍋パーティをしてました、西洋人の子達も自然と箸づかいが上手くなってて面白かったです。
今後のオガワさんの目標やゴールは何かありますか?
語学学校も含めたらトータルで2年も私はほぼ親のサポートぬくぬくと留学をしていたのですよ、同い年の子たちが必死に新卒から働いている間に。院は卒業できたもののアート系なので本当にガツガツエッセイを死ぬほど書いたりもせず未だに自分の英語力に満足していません。ワーホリのビザが当たったのでまたロンドンに戻るのですが、もう26歳なのでちゃんとロンドンで就職したいです。まずは自立が目標ですかね。 その次に英語のレベルアップも。
これから海外の大学への進学を希望されている方に、留学の先輩として何かアドバイスをお願いします。