【アメリカ留学】アメリカで働くことができる!OPTやCPTって何?

オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、アイルランドなどの国では、ワーキングホリデー制度を利用して海外で学びながら働き、キャリアを形成してくことが可能です。

残念ながらアメリカではワーキングホリデー制度はなく、また学生ビザでは原則就労が禁止されているためアメリカで就学しながらアルバイト等もすることができません。
学生ビザを取得し長期間のアメリカ留学をする際、学生ビザは学生としての活動しか認められていないという厳格なアメリカ政府のルールが背景にはあります。

ボランティアや無休のインターンであれば学生活動としての扱いを受けられ、ビザのステータスに影響なく経験を積むことができますが、給料が発生する場合は難しくアメリカの学生ビザの厳しい労働既定の中で生活をしていく必要があります。

そこがアメリカ留学と他国での留学や、日本での大学生活との大きな違いになってきます。

しかし、有給で働く方法が全くないというわけではなく、いくつかの方法はあります!
今回はそのアメリカの学生生活中に就労や有休インターンシップへの参加を可能にするシステムの紹介をします。

アメリカ移民局のOPT情報ページはこちら

アメリカで学生生活中に働けるOPTとは?

「OPT」という言葉、どこかで聞いたことはありませんか?
アメリカ留学中や準備中にこの「OPT」という言葉を聞くことが多々あります。

OPTとは「Optional Practical Training」の略で学生ビザ(F1)のステータスのまま、卒業後に1年間有給のインターンまたは就労が可能になる期間のことを指します。

どんな職業でも可能というわけではなく、それまで留学者の専攻に関わりのある分野でのみ、このOPTを使用し就労または有給インターンシップに参加することができます。

また、OPTには、卒業前から開始することもできる「OPT:Pre-Completion」というものと、大学の卒業後から開始する「OPT:Post-Comletion」の2種類があります。

留学生の多くが使うのはPost-Comletionの方であり、これをOPTと呼ぶ場合がほとんどです。

OPT:Pre-Completion

1年間以上大学にフルタイムとして通った後に開始することができるものです。
学期中はパートタイムで週20時間まで、休暇期間や休日はフルタイムでの就労が可能です。
最長12か月間この制度を使用することができますが、卒業後にもOPTを使用することを考えている場合、Pre-Completionに費やした期間が卒業後のPost-Comletionから差し引かれてしまうので、注意が必要です。
どの形であってもOPTを使用する期間は最長12か月になります。

OPT:Post-Completion

1年間以上大学にフルタイムとして通い卒業をした後に開始することができます。
すでに大学のプログラムは修了している状態なので、フルタイムで就労をすることが可能です。
最長12か月間この制度を使用することができます。
Pre-Completionも併用する場合の注意点は上述の通りです。

OPT申請の流れと準備

OPTを申請するまでの流れを簡単にご紹介します。

① 大学卒業2~4ヶ月前に所属大学が主催するOPTの説明会に参加する

通常、卒業2~4ヶ月前のタイミングで、毎年大学の主催するOPTの説明会(オリエンテーション)が設けられます。
各大学に常駐する担当スタッフの方がそこでOPTの概要説明や申請の際の必要事項、注意事項を解説してくれます。
そこで最新情報を入手するようにしましょう。
OPTは一番早くて大学修了90日前、または修了後45日まで申請が可能です。

② 必要書類の準備

以下が主にOPT申請の際に必要とされるものです。

  • パスポート
  • I-94(アメリカ出入国履歴)
  • 学生ビザのコピー
  • パスポート用写真2枚
  • 申請料の支払い用の$410のチェック(または振込証明)
  • I-20のコピー
  • I-765(労働許可証の申請書)
  • G-1145(メール通知リクエスト)

③ 書類の提出

上記の書類が揃ったら書類を提出しましょう。
郵送で指定の住所へ書類をまとめて送付します。その後、申請が通るまでは基本的には待機になりますがもし不足書類や追加で提出の必要なものがあればその対応も必要になります。
提出書類に問題がなければ、数週間後にEAD(Employment Authorization Document)という労働許可証が届きます。
このEADカードが到着した時点でOPTの期間がスタートし、就労を合法に開始することができます。

就労先の探し方やタイミング

OPTの申請は、あくまで学生ビザステータスでの就労の許可を得るというものですので、OPTの許可が通ったからといって仕事が見つかるというわけではありません。
就労先は自分で期限内に見つける必要があります。

特に注意すべき点としては、問題なくOPTの申請が無事完了し、就労許可が降りてもOPT開始とされる日から90日以内に就労先を見つけ、就労を開始できなければ、OPTは無効になってしまいアメリカに滞在することはできなくなってしまいます。

また、この90日の期間もOPTの既定の12か月に含めれるので、就労の開始が遅ければ遅いほど、就労できる期間も減ってしまいます。
在米期間を延ばすためだけの目的ではOPTは利用できないので、大学課程修了前の最終学期の期間あたりからOPTの受け入れ先を探しておくことが重要になります。

OPT期間で働ける場所を探すには、学生生活中から行動を起こしておくことがお勧めです。
卒業前の学期中に、ボランティア活動やインターンシップなどに積極的に挑戦しておくことでその業界のことを詳しく知れたり、コネクションができます。
インターネットで情報はいくらでも出てくる時代とは言え、特に外国人として就職先を探すわけですから、対面で存在感を出すことや、即戦力として認めてもらえるよう経験値を積んでおくことが非常に大事です。
OPTの準備期間のみ動くのではなく、留学している限りある時間を有効に使い能動的に行動しましょう。

現に、知り合い伝いでOPTでの就職先が見つかったりするというこも多くあります。または、大学のアドバイザーや教授とも前々からしっかりと話をしてくことで、候補をいくつか紹介していもらえることもありますので、大学生活中の大学関係者との信頼関係も作っておけるとなお良いでしょう。

OPTは何回申請できる?

OPTは学位レベルにつき1回ずつ申請することができます。
つまり、最大で2年制大学卒業時に1回、編入後4年制大学卒業後に1回、大学院卒業時に1回の申請ができることになります。

OPTをせずに学位レベルが上がった場合は申請の権利を失いますので、各学位を取得する前にその後のプランを考えていく必要があります。

OPTを最大限利用した際の例

3年間の就労が認められるSTEM OPT

STEMとはScience Technology Engineering Mathの略で、理工系の専攻をまとめた呼び方です。
STEM専攻の学生の場合、通常の12ヵ月のOPTに加えて24ヵ月の延長申請(合計36ヵ月)をすることが可能です。
自分の専攻がSTEMとして認められるか、雇用主がSTEM OPTを申請可能とするプログラム持っているか、などの確認は必要になりますで、あらかじめ情報収集をしておくことをお勧めします。

OPTとは少し違うCPTとは?

OPTに似た制度で、CPT(Curricular Practical Training)というものもあります。
CPTは大学や大学院の条件(在籍日数など)をクリアし許可を得ることで使用することができる制度です。
学期中は週20時間までフルタイムで就労でき、専攻する学部に関係のあるものであれば有給であるものも可能です。

ただし、12か月間CPTをした場合はOPTの申請資格はなくなってしまう為、卒業後にOPTを使用したい場合は、CPTを12ヵ月間以内に留めておかなくてはいけません。
OPTの期間と差し引きはありませんので12ヵ月以内にCPTを終わらせておくことでOPTも12ヵ月間利用することができます。

CPTも魅力的ですが、授業のスケジュールや愛用によっては、かなり忙しくなり学業と就労やインターンの両立を計画的に考える必要があります。学生の学生の本分は学業ですので、成績が落ちてしまわないように注意をしてください!

最後に

OPTやCPTはあくまで学生ビザを使用し、就労経験を通して学ぶための制度という位置づけであって、就労ビザではありません。
制度の期間が終わってもなお、米国滞在をしていると不法滞在となり次回のアメリカ入国などに影響を及ぼすので、自分がいつまで滞在できるのかという確認を必ずするようにしてください。

OPT期間での職場の活躍で、そのまま会社がスポンサーとなってくれ、就労ビザの申請をサポートしてくれる可能性もあるので、このOPTの期間をうまく使いながらその先の進路を切り開いていけると良いでしょう。

特にアメリカでの就職活動で重視されるのは即戦力であるかどうかです。
日本の就職活動とは大きくスタイルも異なるので、早め早めに準備をして行動力をいしきしてみてください。
前述もしていますが、在学中にどれだけ積極的に行動し、能動的に学生生活を送ることができるかが明暗を分けます。
学業でもしっかりとした成績をキープしながら、できるだけたくさんの経験を積むことで、経験値や自信、能力としてアメリカでの就労先探しに役立つことでしょう。

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