高校生の皆さんは大学卒業後の進路を考えていますか?就職と考えている方が多いと思いますが、迷わずに就職先を選択できれば良いですが、なかなかそうはいきませんよね。大学在学中にどのような仕事に就きたいかを検討できればいいですが、容易ではありません。就職するにもスキルや経験などが求められる時代になり、日本の企業もグローバル人材を求めるようになってきています。
グローバル人材とは?
総務省の「グローバル人材」の定義とは、日本人としてのアイデンティティや 日本の文化に対する深い理解を前提として、ⅰ)豊かな語学力・コミュニケーション能 力、ⅱ)主体性・積極性、ⅲ)異文化理解の精神等を身に付けて様々な分野で活躍できる人材のこと。
世界で活躍できるグローバル人材になるには、アメリカの大学留学はグローバル人材に求められる能力を養うための一つの選択肢です。グローバル人材は、日本でも大手企業だけでなく、中小企業も需要が高まっています。日系企業が海外に拠点を増やしたり、外資系企業が日本や世界各国へ進出したり、日本でも外国人労働者が増え、国籍関係なく優秀な人材を企業は求めています。では、アメリカの大学留学といってもどんな準備をすればよいでしょうか。大学選びは人生に関わることですので、日本の大学だけでなく、アメリカの大学も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
目次
グローバル人材に求められる能力とは
- 語学力
- コミュニケーション能力
- 主体性
- 思考能力
- 積極性
- チャレンジ精神
- 異文化適応力
- 日本人として日本の文化や歴史などの知識を持つこと
アメリカ留学とグローバル人材
日本から海外留学する学生の多くはアメリカ留学と言われるほど、日本人にとっては最大の留学先になっています。広大な国土に多様な気候帯、文化を持つアメリカは留学する地域によって、全く違った学生生活を経験することになります。異なった人種、文化が混在し、留学生も「外国人」だということを意識せずに受け入れられる国民性を持っています。「アメリカ留学=グローバル人材」というわけではありませんが、日本で適切な能力やスキルを磨く経験をするかが大切です。グローバル人材として活躍するには、同じ環境でじっとしているのではなく、変化を求め、多様な価値観や変化に対応できる人材になることが大切です。
アメリカの大学留学
アメリカの大学では英語で専門分野を学び、コミュニケーション能力を身につけるだけでなく、「自分で考え、表現し、判断する」がアメリカ生活の中でたくさんあります。さらにアメリカの大学ではディスカッションやディベート、プレゼンテーションの発表やレポート(論文)を提出する機会が多くあります。授業では、「自分で考え、表現し、判断する」環境ですので、自然とこういったスキルを習得していくことができます。また、アメリカの大学には多国籍の学生が集まっています。文化や歴史的なバックグラウンドが違う仲間と過ごすことで、互いの価値観を尊重し、多様性を認めていけるようになります。大学の専攻によってはインターンシップも卒業単位の一部になっています。インターシップ先で実際の現場がどのような環境、雰囲気で行われているかを知ることができる他、インターンシップ先での就労体験ができます。
アメリカの大学の「入学」について
アメリカの大学は原則的にどの学期からでも入学でき、卒業単位数を満たせば、どの学期の終わりにでも卒業(学位得)が可能です。アメリカの大学は卒業単位数などの要件を満たせば、4年(または2年)を待たずに卒業できます。夏休み期間に開講される授業を受けたり、1学期に取得できる単位数を増やせば、4年制大学を3年や3年半で卒業可能で、滞在費を抑えることもできます。自分自身の努力で単位を取得することで自信もつき、就職活動する際に大学時代にやってきたことを自己アピールできるのではないでしょうか。
アメリカの大学の入学時期
アメリカの大学では主にセメスター制度とクオーター制度があります。セメスター制度は9月~12月(秋学期) 、1月~5月(春学期)の2学期制で年に2回入学できるチャンスがあります。クォーター制度は9月~11月(秋学期)、12月~2月(冬学期)、3月~5月(春学期)、5月~8月(夏学期)の4学期制で、年に4回入学できるチャンスがあります。
アメリカの大学の入学条件
アメリカの大学の入学条件として、主に英語力と高校の成績が求められます。アメリカのトップ大学を目指す場合は、高い英語力と成績だけでなく、SAT ® (大学能力評価試験)も必要になってきます。英語力や成績などを確認しながら、志望校を探してみましょう。アメリカの大学も日本の大学と同様に併願が可能ですので、複数校出願するとよいでしょう。
4年制大学 | コミュニティカレッジ (2年制大学) | |
英語力 | TOEFL iBT® 61~81 IELTS™ 5.0~6.0 英検® 英検準1~1級 | TOEFL iBT® 45~61 IELTS™ 4.0~5.0 英検® 英検2~準1級 |
高等学校の成績 (評定平均値› | 5段階中3.5以上 | 5段階中3.0以上 |
アメリカの大学の「学費」について
4年制大学、コミュニティカレッジとコミュニティカレッジから4年制大学へ編入した場合の学費(目安)は下記をご確認ください。編入した場合は、直接4年制大学に留学するより、最初の2年間の学費を抑えられることがわかるかと思います。アメリカの大学はトップ大学ほど授業料は高額ですが、教授の質や施設などが整っています。滞在費や生活費を抑えたいと思うなら、田舎にある大学をおすすめします。とにかく、州によって費用が異なります。
コミュニティカレッジ (2年制大学) | 2年制大学→4年制大学 【編入】 | 4年制大学 | |
1年目 | 200万~250万円 | 200万~250万円 | 250万~450万円 |
2年目 | 200万~250万円 | 200万~250万円 | 250万~450万円 |
3年目 | 250万~450万円 | 250万~450万円 | |
4年目 | 250万~450万円 | 250万~450万円 | |
合計 | 400万~500万円 | 900万~1,400万円 | 1,000万~1,800万円 |
奨学金制度
アメリカの大学では、返済不要の奨学金を支給しています。そのため、大学卒業後に返済するという義務がありません。アメリカ人対象の奨学金が多くありますが、留学生対象の奨学金もあります。大学によって異なりますが$500~$10,000獲得チャンスがあり、思ったより学費が高くないということもあります。留学生対象の奨学金は、優秀な成績を収めている学生やスポーツ・芸術の分野で優れている学生などがあります。奨学金をもらうには申請内容を含め、それなりにハードルは高いですが、チャレンジしてもらっている留学生も多くいます。
アメリカの大学の「編入」について
アメリカではコミュニティカレッジから4年制大学への編入や4年制大学から他の4年制大学への編入が一般に行われています。それは、アメリカの大学は単位で運営されているからです。卒業単位として、コミュニティカレッジでは約60単位、4年制大学では約120単位必要です。選択した学部で必要とされる単位数を取得し修了すれば、年数は関係なく卒業することができます。トップ大学を目指しているけど、直接進学するには英語力だけでなく学費も気になるという場合は、コミュニティカレッジから進学し、トップ大学に編入する選択肢があります。
編入については、アメリカ国内だけでなく、日本の大学や短大からアメリカの大学に編入することできます。日本で取得した単位をアメリカの大学(専攻)によって互換することが可能です。これまでも日本の大学や短大から単位互換し、編入された方がいらっしゃいます。
アメリカの大学の「出願」について
アメリカの大学に出願するには大学によって異なりますが、出願に必要な書類を紹介します。アメリカの大学留学するには、大学から入学許可書(I-20)を発行してもらう必要があります。I-20は学生ビザ申請のときに重要な書類になります。アメリカでは週18時間以上もしくは、3ヶ月以上の就学の際には、学生ビザの取得が必要です。中でも最も一般的な学生ビザは、F-1です。
・大学願書
・出願料(無料~$200)
・英語資格試験(TOEFL iBT®やIELTSなどのスコア結果)
・英文の残高証明書(出願大学の1年間学費以上の額を証明する)
・財政証明書(英文残高証明書の名義人がスポンサーとして学費を支払うことの証明)
・英文の高校成績証明書
・英文の高校卒業証明書
・英文の推薦書
・エッセイ
・パスポートコピー(顔写真のあるページ)
・健康診断書(麻疹・風疹・おたふくなどの予防接種を含む)
出願料や健康診断書は大学によって不要のところがあります。特に2年制大学(コミュニティカレッジ)は出願料が無料だったり、健康診断書は不要だったりします。
学生ビザ申請の詳細はこちらよりご確認ください
アメリカの大学留学で自分自身が取り組んできたことやチャレンジしたこと、何を身につけてきたのかなどがカギになります。ただ単にアメリカの大学を卒業することではなく、将来のキャリアを見据えながら留学生活を送ることも大切です。そうすることで、大学卒業後の社会で活躍できる人材になれるのではないでしょうか。失敗を恐れずに何事にもチャレンジする気持ちを持って取り組み、世界で活躍できる人材になりましょう。