留学トラブルに備える【渡航時のロストバゲージ対策】

皆様こんにちは、アフィニティのレホアンです。

2022年に、イギリスのヒースロー空港で荷物を受け渡すシステムが故障し、大量のスーツケースがロビーに放置される事態になっているというニュースがありました。
世界各国の空港で同じような状況が時折発生することがあるため、これから留学する方は出発前に対策を行うことをおすすめします。

留学生活にトラブルはつきものですが、このロストバゲージは留学生活を始めるに当たって、現地の空港に到着しておそらく一番最初に遭遇する可能性のあるトラブルとも言えるのではないでしょうか。
出発前の準備が重要になってきます。

そこで今日は、パリのシャルルドゴール空港でグランドホステスとしての勤務経験を持ち、今まで50回以上世界各国へのフライトを経験、自らも留学時にロストバゲージに遭遇した(事実です!)私から、ロストバゲージ対策について解説し、便利な防止方法を紹介したいと思います。

ロストバゲージとは?

ロストバゲージとは、空港で預けたスーツケースなどの荷物を紛失されてしまうこと、またはその紛失した荷物のことを指します。
長いフライトの末ようやく目的地の空港に到着した後、いくら荷物を待っていても出てこない場合は、ロストバゲージに遭った可能性が高いということになります。
国内線と比較して、国際線では遅延や紛失のリスクが高くなる傾向にあります。

ロストバゲージの原因にはどんなことがある?

荷物の積み込み遅れ

まず一番多いのが荷物の積み込みが遅れたことが原因で荷物が見つからないケース。これはディレイドバゲージとも呼ばれ、この場合は時間的遅れが生じるだけで、無事に荷物が届く可能性は高いです。

荷物タグの発行ミス

タグの発行ミス、つまり空港スタッフのミスが原因でもロストバゲージは発生します。荷物だけ異なる行き先に運ばれてしまうため、取り戻すのにも若干時間がかかってしまう可能性が高いです。

乗り継ぎ時の積み込みミス

飛行機の乗り継ぎの際に預けた荷物も飛行機を乗り換えますが、この時の荷物の積み込み忘れや降ろし忘れといったミスもあります。ロストバゲージの原因の大半を占めるのが、この積み込みミスといわれているほど。乗り継ぎ時間が短い場合などにも、人間は次のフライトに乗れたけれど、荷物の方は間に合わなかったということがよく起きます。

他の乗客による荷物の取り違いミス

荷物が無事空港に到着していても、他の乗客が誤って荷物を持っていってしまうというケースもあります。自分の物と似た色・形のスーツケースを見て、他人の荷物をうっかり持っていってしまうということも起こり得ます。

ロストバゲージ対策5つ

  1. スーツケースの目立つところにネームタグとわかりやすい目印を

    先ほどのヒースロー空港のニュースのように、海外の空港などではちょくちょく荷物運搬システムの故障などによって、預けたスーツケースが大量に行方不明になってしまうことが起こります。

    何百、何千というスーツケースの中から自分の航空会社のお客様の荷物を探すので、利用した航空会社のタグが付いていることや、お客様の情報が書かれたものがあると見つけやすくなりますし、お客様の名前がわかるとコンピューターでどのフライトに乗っていたのかなどの情報が捜索できます。

    必ずネームタグを付けて、できれば現地で滞在するホテルの住所を記載しておくと行方不明になったとしても手元に戻ってくるスピードが早くなります。逆に名前も連絡先もないスーツケースは何日たっても空港に放置されたままでどんどん返却が遅れてしまいます。

    ネームタグは空港のカウンターなどでもらえる紙のものでも大丈夫ですが取れないようにしっかりとつけるようにしましょう。また、個性的なステッカーやカラフルなベルトなどの使い方を工夫して目印として活用すると、他の人に持っていかれてしまう確率も少なくなりますし、スーツケース捜索の時にも見つけやすくなるかと思います。

    Appleが開発・販売しているAirTag(エアタグ:紛失防止タグ)などを活用するのもおすすめ!
  2. 写真を撮っておきましょう

    ロストバゲージにあった場合には空港で利用した航空会社の職員にすぐに連絡を取ってスーツケースの捜索を始めてもらいますが、その際スーツケースの特徴などを写真で見せられると外国語での説明が慣れていない留学の初期でもスタッフにわかりやすく伝えることができますね。
    スマートフォンで複数の角度から撮影しておくことをお勧めします。
  3. 過去に旅行した際のタグやシールは取っておきましょう

    何度も海外旅行へ行っている方はスーツケースに過去のタグが付いていたり、荷物シールが付いていることもありますが、記入内容の異なる複数のネームタグがついていると、正確な仕分けを阻害し、ミスを誘発してしまう恐れがあります。過去の旅行のタグやシールは取るようにしましょう。

    また、タグの発行ミスによるロストバゲージを防ぐためにも、荷物のタグが発行されたら、行先や搭乗便のフライト番号などが合っているか、その場できちんと確認し、なくさないようにしましょう。
    荷物のタグ(シール)はよくパスポートに貼られることが多いのですが、これがないとロストバゲージの捜索ができないので、なくさないように注意してくださいね。
  4. 2−3日の生活に必要なものは機内持ち込みの手荷物に入れておきましょう

    例えば、空港到着時の空港送迎のバウチャーや、初日に宿泊する宿泊施設の説明書、メガネや衛生用品などは、万が一ロストバゲージにあってもとりあえず生きていけるよう手荷物に入れることをお勧めします。最初の滞在先へ到着するまでに困らないようにするためです。

    2-3日以内に必要なもので、店ですぐ買うことができないものは必ず機内持ち込みの手荷物に入れるようにしましょう。
    お店で買うことのできるものはお店で購入して対応ができますが、フライトが深夜や早朝に到着することもありますので(お店が開いていない可能性がある)各自で考えて想像力を働かせながら準備することをお勧めします。
  5. 海外留学保険に加入しておきましょう
    例えばロストバゲージにあってしまい、翌日まで荷物が届かず、身の回り品を購入しなければいけないことになった場合、購入した身の回りの品の領収書があれば海外留学保険の補償の対象になることがあります。(諸条件がありますので、詳しくはご加入いただく保険会社へお問い合わせください)。
    こんな時の補償もしてくれるので助かります。

ロストバゲージにあってしまったら?

航空券とクレームタグを持って航空カウンターや係員に報告

もしロストバゲージに遭ってしまったら、まず慌てずに「航空券」と「荷物のタグ(荷物を預けた際にもらうシール)」を用意します。多くの空港では「Baggage Lost」などと書かれた、ロストバゲージに対応してくれる空港カウンターがあるのでそこへ行くか、近くの係員に報告します。
通常、このようなカウンターは到着ロビーの上階や別の場所に設置されていることが多いです。トップレベルの航空会社では、専用のスタッフが対応してくれます。

紛失証明書の提出

カウンターでは、紛失証明書にフライト便名や氏名、住所、チケット番号、パスポート番号、滞在先の住所のほか、紛失した荷物の特徴などの必要事項を記入します。
紛失証明書を提出したら、必ず控えをもらいましょう。
紛失証明書の控えは、海外旅行保険の補償を受ける際などに必要になります。
*紛失証明書は、PIR (Passenger Irregularity Report = 手荷物事故報告書)とも言います。

生活必需品の補償

ロストバゲージと確定した場合、海外旅行保険の支払い対象となれば、最低限の生活必需品などを購入するための費用を補償してくれることがあります。
旅行先で荷物を紛失すると、最低限購入しなければならない物は出てくるため、購入の際は領収書などを残しておきましょう。

荷物を受け取る

荷物が見つかった場合、一般的には紛失証明書に記載した宿泊先まで配送してもらえます。
ただし、航空会社によっては空港まで引き取りにくるよう言われるケースもあり、滞在中に見つからなかった場合は、帰国後に配送してもらわなければなりません。
もし、紛失証明書の提出から3日程経過しても連絡がなければ、航空会社のウェブサイトからメールなどで問い合わせてみましょう。移動中でもチェックできるよう、連絡先を控えておくことが重要です。

ピックアップ情報

いかがでしたでしょうか?
留学のスタートをロストバゲージで始めなければならないという方も中にはいらっしゃるかもしれません。
被害を最小限に抑えるためにもぜひロストバゲージ対策を取り入れていただくことをお勧めします。

海外でのトラブルは海外留学の醍醐味!
トラブルにあってしまってもそれを乗り越えるとどんどん成長もできますし、『後々使えるネタにもなる!』と思って前向きに捉えると留学生活やトラブルも少し楽しくなります!

海外ロストバゲージ時の緊急連絡・対応の要点

①到着空港の利用した航空会社のカウンターまたは手荷物サービスオフィス (Baggage Service Office)に報告。(空港を出る前に!)
②荷物の預かり証(バゲージタグ半券)を提示し、宿泊先の連絡先・住所を伝える。
③PIR(手荷物事故報告書)を作成してもらい、追跡用のファイルID/リファレンス番号を必ず受け取る。
④受け取ったファイルIDでオンライン追跡(WorldTracerなど)や、航空会社の手荷物デスクに問い合わせる。
⑤日本帰国時の場合は日本の連絡先と荷物の送り先を伝え、補償請求に備え購入した日用品のレシートを保管しておく。

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PROFILEこの記事をかいた留学カウンセラー

パリ、トリノ、上海、ロンドンという4都市での留学経験と4ヵ国語習得経験を生かして皆さまの留学をサポートいたします!食に対する探究心はとどまることを知りません。フランス、イタリア留学担当カウンセラー。