アメリカの大学に行ってみたいけどや留学に興味はあるけれど、「英語力に自信がない」、「英語が苦手で不安」、「英語試験を受験したことがない」、「海外に行ったことがない」などで諦めてしまっているケースが多くあります。ではアメリカの大学留学のために、どのぐらいの英語力が必要なのか、みてみましょう。
日本では「日本の大学は入るのは難しいけど、出るのは簡単」、「アメリカの大学は入るのは簡単だけど、出るのは難しい」と言われていますよね。日本とアメリカの大学の違いはあるにしても、学習面ではどのような違いがあるのでしょうか。
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日本の大学とアメリカの大学の違いって何でしょうか
大きな違いとして、日本の大学はゼミ形式の授業などの一部除いて「受け身の授業」で、教授の説明をひたすら聞き、板書されているのをノートに書き写します。一方、アメリカの大学は「参加型の授業」で、教授の説明内容を聞きながらノートに取ったり、授業中に意見を言ったする(ディスカッション)ことです。教授は板書することが少ないため、授業内容を予め予習しておく必要があります。といわれるとアメリカの大学は“大変”と思われますが、普段の勉強、つまり「予習と復習」が大切です。日々の予習と復習で授業に参加することができるのでそれほど難しいことではありません。
アメリカの大学が求める英語試験とは
授業についていくには、「予習と復習」が大切ですが、英語を理解していないと教授やクラスメートが言っていることがわかりません。そのため、英語を母国語としない留学生の場合、英語力が求められます。アメリカの大学では、TOEFL iBT®やIELTS™、英検®などの英語試験の入学基準が設定されています。
【表-1】アメリカの大学の英語試験の入学基準(目安)
4年制大学 | コミュニティカレッジ (2年制大学) | |
TOEFL iBT® | 61~81 | 45~61 |
IELTS™ | 5.0~6.0 | 4.0~5.0 |
英検® | 英検準1~1級 | 英検2~準1級 |
ご自身が受験しやすい英語試験でスコアを取得し、アメリカの大学へ進学することができます。アメリカの大学には日本のような入学試験がありません。コミュニティカレッジ(2年制大学)では、英検2級で進学できる大学があります。4年制大学にしたいけど、英語力が不安な方は【表-1】にもあるように4年制大学よりコミュニティカレッジは英語試験の入学基準が低いので、コミュニティカレッジから進学し、4年制大学(大学の3年次)へ編入することをおすすめします。
TOEFL iBT®やIELTS™などの英語試験のスコアが低く、入学基準に達していないからといってアメリカの大学を諦める必要ありません。4年制大学やコミュニティカレッジにESL(英語を母国語としない留学生ための英語)コースがあります。ESLコースからの入学も可能で、ESLコースでは確実に英語力を身につけることができるので英語力に自信がない方や英語が苦手な方でも安心いただけるコースになります。
アメリカ大学留学でのTOEFL®やIELTS™の重要性
アメリカの大学に留学するためには、TOEFL iBT®やIELTS™(英語を母語としない学生の英語力を測るテスト)のスコアを志望する大学に提出することになります。
そのため、TOEFL iBT®やIELTS™を、あたかも「アメリカの大学の入試」だと思い込んでいる受験生も少なくありません。
でも実際は、コミュニティカレッジを除いて、ほとんどのアメリカの大学は、TOEFL iBT®やIELTS™のスコアだけで合否を決めることはしません。「TOEFL iBT®やIELTS™=入試」ではないのです。
アメリカ大学の入学審査基準とは
アメリカの大学は、日本の大学のような入学入試で合否を決めることはなく、書類審査が主になります。
- 高校の成績
- エッセイ(志望動機)
- 推薦状
- 英語試験のスコア
- 残高証明書
英語力だけでなく、何が必要でしょうか
「英語をうまく話せない」「英語を聞くのが不得意」「英語で文章を書くのが苦手」といったことがあると思います。もちろん、英語試験の入学基準に達していたとしてもアメリカの大学の授業についていける英語力があるかどうかはわかりません。そのため、アメリカの大学では以下のようなスタディスキルを身につけていると良いでしょう。
●ノートテイキング | 授業中に教授が言っていることをノートに取ります。特に教授は板書することが少なく、ほとんど口頭で説明しています。予習なしで授業に出席すると教授が何を言っているのかわからず、重要なことをノートに取れません。 |
●リーディング | 1回の授業でテキストの約30ページ(大学やクラスによって異なる)進みます。そのため、次回の授業で行われるページ分を読むことも予習のひとつです。知らない語彙もたくさんあるので事前に調べておくことも大切です。また、リサーチペーパーの作成時に参考文献をたくさん読むことになります。 |
●ライティング | アメリカの大学ではエッセイやリサーチペーパーのライティング課題があります。特にリサーチペーパーは教科ごとに課せられることがあり、テーマ(トピックス)に基づいて調べ、自分なりに10枚以上纏めリサーチペーパーを作成します。 |
●ディスカッションやプレゼンテーション | 授業では教授と学生や学生同士のディスカッションがあります。予習なしでは自分の意見が言えず、ディスカッションに参加できないことになります。教科によってはリサーチペーパーで纏めた内容でプレゼンテーションを行うこともあります。 |
●グループワーク&ペアワーク | 3~4人のグループや2人でペアを組み、プロジェクトを行ったり、ディカッションを行ったりすることがあります。そのため、クラスメートと協力しながらプロジェクトを進めなければなりません。 |
スタディスキルは大学の授業のためと思いがちですが、社会人になってからも使えるスキルです。アメリカの大学では英語力だけでなく、社会で役立つスキルも身につけられます。アメリカの大学やコミュニティカレッジのESLコースで英語(リーディング、ライティング、スピーキング、リスニングの4技能)を学びながら、スタディスキルを身につけることができます。
TOEFL®スコアが低くてもアメリカ大学留学を諦めてはいけません!!
日本人がアメリカの大学に留学するためには、英語試験(TOEFL iBT®やIELTS™)のスコアを提出しなくてはなりません。
しかし、ハーバード大学などは、留学生にTOEFL®スコアの提出を求めていません。このくらいのレベルになると英語はあくまでも「ツール」として、できて当たり前、と考えられるからです。
いずれにしても、アメリカの大学に留学するからといって英語試験にあまりとらわれないことが大切です。アメリカの大学が合否を決める際に重視するのは、学力です。
アメリカ大学留学を目指す方は、まずはいま通っている学校の成績を良くすることをこころがけましょう。TOEFL®スコアに一喜一憂するよりも、そのほうがよほど重要です。